研究課題/領域番号 |
24593303
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
宮園 真美 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (10432907)
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研究分担者 |
樗木 晶子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60216497)
栃原 裕 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 名誉教授 (50095907)
川本 利恵子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40144969) [辞退]
中尾 久子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80164127)
前野 有佳里 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20432908)
木下 由美子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30432925)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 循環器病 / 温熱刺激 / 再発予防 |
研究実績の概要 |
本研究は、地域社会における循環器病者を対象に、脚温サウナを継続的に使用した際の血管状態をはじめとする心身の状態を把握することを目的とした実験研究である。本研究は、温熱刺激による生理心理反応を看護へ応用したものであり、今年度は、研究対象を前年度までの循環器疾患入院患者から地域へ拡大して実施した。初年度は、若年者(10名)vs高齢者(10名)において脚温サウナの実施と比較を行い、高齢者への脚温サウナの安全性を確認した。また、血管内皮反応としてFMD(Flow Mediated Dilation:血流依存性血管拡張反応)においては、若年者より高齢者の方が最大拡張血管径がサウナ後有意に拡大したことを確認した。次年度は、循環器病を有する高齢女性を、サウナ実施群(11名)とコントロール(8名)に分け、サウナ実施群は、毎日就寝前に脚部サウナを使用し3ヶ月継続した。両群とも、1ヶ月毎にFMD検査、寒冷感調査、ピッツバーグ睡眠調査を実施した。3ヶ月通して、FMDの有意な改善は見られなかったが、1ヶ月後、サウナ群は対象群より、コンプライアンス(伸展性)が有意に改善した。温かく良く眠れるという答えは、11名中6名に聞かれたが、寒冷感および睡眠指標に有意な変化は認められなかった。循環器病を有する対象とそうでない対象との血管機能の違いは認められなかったが、断言するためには人数が少なかった。平成26年度は、これらの結果をまとめ、発表した。本研究は冬季に実施され、季節の変化によっても結果に違いが認められるため、循環器病再発予防に向けたプログラム作成に向けたプロコールは完成したものの、実施時期や対象の特定などは今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終的な再発予防プログラム完成のためには、これまでの蓄積データをより総合的に分析し今後も研究を継続する必要があるが、当初計画していた実験を実施し、ほぼ目標達成をしたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今回作成したプロトコールを再発予防プログラムとして確立するには、循環器病を有する対象を特定して継続した研究を行うことが課題である。そのための安全な研究計画立案と実施が今後必要となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に本研究に関する海外指導者への最終的な研究報告と今後の研究打ち合わせを実施する予定であったが、先方の都合により研究報告が平成27年4月に変更となった。平成27年4月に渡米する際の交通経費に未使用額を充てるため次年度使用が必要となった。
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次年度使用額の使用計画 |
海外指導者との最終的な研究報告と今後の計画検討を行うため、平成27年4月22日~29日の渡米チケット代金として使用する。
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