研究課題/領域番号 |
24593304
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
安田 加代子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90336123)
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研究分担者 |
末次 典恵 佐賀大学, 医学部, 講師 (60363355)
熊谷 有記 佐賀大学, 医学部, 助教 (10382433)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | レジリエンス / 質的研究 |
研究概要 |
がん患者のレジリエンスを明らかにするために、がん看護専門看護師を対象にフォーカスグループインタビュー、およびがん患者を対象に半構成的面接法によるインタビューを行った結果を質的帰納的に分析した。 がん患者のレジリエンスは、本来備わっている「潜在的な能力」、置かれている状況を「認知する力」、その状況に対処する「意図的な努力」で構成される『力』であった。[認知の対象]をどのように認知するか[認知のタイプ]で「意図的な努力」がなされる『力』は、「潜在的な能力」に支えられ、「変動性」のあるものと捉えることができた。 「潜在的な能力」には‘エナジー’‘感性’‘柔軟性’‘不可欠なもの’「認知する力」には‘認知のタイプ(ポジティブ、ネガティブ)’‘認知の対象(がんという病気、治療、今後を見据えること、役割意識、存在意義、死生観、人生観)’、「意図的な努力」には‘困難な状況に向き合うこと’‘思いの表出’‘効果的な対処’‘頑張る力’‘適応力’がカテゴリーとして抽出された。いずれも時間とともに「変動性」‘変化しうるもの’であることが見いだされ、これらは研究代表者らが概念分析を行った結果(現実を認識し前向きに考えることができる能力、がん治療過程における心理的な強さ、強化可能性)と類似していた。 上記のカテゴリーの中から表現の類似性や頻度等を踏まえて重要アイテムを抽出し、尺度原案となる項目の精選を行っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
交付申請時における平成24年度の目的は、がん患者のレジリエンス尺度原案を作成し、がん患者を対象にプレテストを行い修正することであった。実際には、インタビュー結果を分析するのに時間を要してしまい、尺度原案の精選途上にあるため、当初の計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究に取り組むエフォートを増大し、研究時間を極力確保する。研究代表者は平成25年度から佐賀大学の客員研究員として所属することになり、これまで大学教員として教育や大学運営等に費やしていた時間の多くを本研究に充当することが可能であるので、課題申請時の研究計画に応じた研究遂行できるように努力する。 また、本研究においては、スーパーバイザーとして聖路加看護大学の林直子教授の指導のもとに実施することになるので、研究遂行において推進力となる。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の多くは旅費(本研究のスーパーバイスを受けるため、成果を発表するための学会参加等)に充てる。そのほか文具等の消耗品を予定している。
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