研究課題/領域番号 |
24593316
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
牧野 智恵 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (60161999)
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研究分担者 |
北本 福美 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00186272)
加藤 亜妃子 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (30553234)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 乳がん患者とその子どもへの支援;アメリカ |
研究概要 |
I.研究目的;乳がん患者とその子供への生を支えるための、親子のふれあいプログラムを開発することを目的とする。 II.研究方法;1.研究デザイン;介入研究。 2.対象;次の選定条件を満たす、乳がん患者とそのこども。1)こどもをもつ壮年期(20~50歳代)の乳がん患者とその子ども。こどもに母親の病名・病状が伝えられていること 3.調査期間;2012年8~2014年9月(予定)4.研究内容;1)研究内容及び研究スケジュール・・・親子への介入プログラムの内容(90分);①導入として参加者全員で歌をうたう(10分)。②親子でサポートブック※を作成(50分)。(サポートブックに出てこない質問で、お互いに聞いてみたいことがあればお互いに聴きあい、サポートブックの自由記載欄に書き込む。2)データ分析方法;(1)FACIT-sp日本語版、STAI日本語版は、スコアを介入前後で比較する。(2)『親子で対話を楽しもう』中の対話を抽出し質的に分析を行う。 III.平成24年度における結果;治療期にある乳がん患者とそのこどもが共にサポートブックを用いた介入プログラムに参加することで以下の効果が明らかになった。1.介入前後で6名中3名がSTAIやFACIT-spの両方の尺度得点に改善がみられた。2.インタビューの内容から介入プログラムの参加を通じての母親の変化は〔病気体験に対する認識の拡がり〕〔家族・周囲の人々からの支えを再認識する〕〔こどもが成長する姿〕であり、母親からみたこどもの変化は〔こどもが病院を受け入れていく姿勢〕〔母親の身体を気遣う態度〕〔プログラムが楽しい思い出となる〕であった。3.子どもと母親のサポートブックの特徴や対話の特徴親子で一緒にサポートブックを作成することの効果として,親子が直接思いを伝え合うことにより親子に良い相互作用が働くこと,早期からの緩和ケアに繋がることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の1年間で、本研究に参加した乳がん患者は9名いたが、母親だけの参加であったり、18歳以上の子どもとの参加であったりと、研究対象となるものは6名であった。平成27年度までに60名の患者とその親子を対象に本研究を実施する予定であるが、予想外に参加者が少ないのが現状である。その理由として、本研究対象者を「乳がん患者の子どもに母親の病名を伝えてあること」を条件にしていたためであることだと思われる。また、北陸地域では夫婦共働きが多く、土曜日や祭日には、家の仕事を重視したり、子どもが部活動などで休めない状況があることがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究期間の3年後までに、残り50名の対象者に本プロジェクトを実施する場合、対象者を「子どもに病名を伝えていない親子」の参加も検討していく予定である。その場合、サポートブックの作成の際、「がん」という言葉を使用しないなどの配慮が必要となってくる。 子どもの母親の病名を伝えることは、親にとっては苦しい選択であり、未だ子どもに伝えられていない母親が多い現状を改めて実感した。母の病名を子どもに伝られず苦悩している母親への支援の研究的介入の必要性も改めて感じた。 また、当該予定としては、石川県内の病院に通院している乳がん患者を対象としていたが、隣接の地域(富山県・福井県)の病院にも参加協力を呼びかけ、その地域での開催も検討していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
「該当なし」
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