研究課題/領域番号 |
24593322
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
東 ますみ 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (50310743)
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研究分担者 |
石垣 恭子 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (20253619)
神崎 初美 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (80295774)
力宗 幸男 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (60128783)
藤永 新子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (70508663)
石橋 信江 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (50453155)
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キーワード | 遠隔看護 / 糖尿病 / 自己管理支援 / タブレット型端末 |
研究概要 |
本研究は、タブレット型端末であるiPadを活用した「糖尿病自己管理支援システムII」を用いて、教育入院から退院後へと継続した自己管理支援を行うことで、生活状況に応じた自己管理方法の獲得を目指すものである。 平成25年度は、iPadに「糖尿病自己管理支援システムII」を構築した。iPadは、スマートフォンや携帯電話よりも画面が大きく、かつ音声入力が可能なため、高齢者でも比較的容易に使用可能であることから選択した。高齢者に使いやすいシステムとするため、操作性を高める画面デザインを行った。ハードウェアおよびソフトウェアの両面から視認性、操作性に配慮した。トップページには、入力に必要な項目全てを配置し、イラストで内容がわかる工夫を行った。食事療法に関する入力項目として、食事写真を記録に残せるが、その際、別のシステムを立ち上げたり、別の操作を行わなくても、同じシステム内ですぐに写真が撮影でき、日々の記録画面に貼りつく工夫を行った。教育入院中の糖尿病食を写真に残すことで、退院後の食生活との比較が可能となる。薬物療法への対応として、インスリン自己注射中の患者には血糖値、インスリン非導入患者には尿糖値というように、個人に応じた必要な項目が表示されるようにした。看護相談に関する画面は、やり取りの過程が一目でわかるように時系列で並ぶようにした。自己管理を行うためのセルフモニタリング項目は、月目標や週目標に応じて決まってくるが、目標を立て忘れないように、7日間が経過すると週目標の入力を促し、月が変わると月目標の入力を促すように設定した。学習教材は、日本糖尿病学会年次集会がインターネットで公開している、糖尿病啓発プログラムを見られるようにした。複数の健康人が「糖尿病自己管理支援システムII」に日々データ入力を行い、実証実験に耐えうることを検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、糖尿病自己管理支援システムIIの入力画面とデータベースの構築を行い、健康人での検証により一定の成果が得られた。糖尿病患者は、高齢者が多いため、高齢者が使いやすいシステムを構築することで、全ての人にとって使いやすいシステムとなったと考える。最終年度は、糖尿病患者で実証実験を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力病院において、実証実験を実施する。教育入院中の糖尿病患者に対して入院時から退院後3か月間、「糖尿病自己管理支援システムII」使用してもらい、システムの使用前後およびシステムの使用終了3ヶ月後に質問紙調査や聞き取り調査を行うことによって、本システムの有用性やユーザビリティについて明らかにする。看護相談の回答は、看護師が実施し、食事報告の項目においては、管理栄養士が食事写真とメニュー名からカロリー計算を行い、必要時には、看護師および管理栄養士から食事に関するアドバイスを実施する。ユーザビリティの評価は、アクセス解析ソフトを用いて、システムのどの部分に手間や時間がかかっているのかを解析し、システムの改善に役立てる。
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次年度の研究費の使用計画 |
システムの構築を、業者に委託する予定であったが、研究分担者の指導大学院生が構築したため人件費等が発生しなかった。また、システムの開発には、大学内の無線LANを活用したため、通信費用等が発生しなかった。そのため、次年度に使用額が生じた。 次年度は、実証実験を実施するため、タブレット型端末の購入費用や通信費用が発生する。タブレット型端末は、計画当初のものからバージョンアップしており、単価が高くなっていることから、次年度使用額で賄えるものと考える。
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