研究課題/領域番号 |
24593326
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
大釜 徳政 獨協医科大学, 看護学部, 准教授 (50382247)
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キーワード | Cancer Rehabilitation |
研究概要 |
平成25年度において、研究代表者は器質性構音・音声機能低下を抱える口腔癌患者を対象とした調査のみならず、放射線治療を受ける口腔癌患者を対象とする調査を実施してきた。その成果の一部として、オーラルリハビリテーションプログラムの意義およびその効果に関するホームページを立ち上げ、その効果を国民の誰もがわかりやすいよう掲載した。 加えて今年度は、口腔癌患者の会話変容プロセスである術後2週間以内の単音節の歪みを補足しながら意志疎通を図る【意志疎通の到達段階】、術後2週間~1ヶ月において難しい構音を回避して会話の明瞭性に焦点をあてながら会話効率・正確性を図る【会話効率・正確性の獲得段階】、そして術後1~3ヶ月において社会的印象に関心を寄せながら会話全体の流暢性に焦点をあてる【会話流暢性の促進段階】という3段階会話変容プロセスの術後生活評価に対する影響要因について、舌切除範囲と患者特性(性別、年齢、日本標準職業分類による就業復帰背景、同居家族構成)の差異によって術後生活評価に対する影響力の違い、術後生活評価と影響要因との関係性を因果モデルとして構築する予定であった。この調査にあたり、16項目から構成される他記式5段階評定法による術後生活質問紙を作成し、その表面妥当性および内容妥当性の検証に取り組んでいる。さらに、患者の術後生活評価に大きく影響することが予測される就業復帰背景の差異について、サービス職に復帰する患者と会話流暢性の促進との間に関連性の高いことがうかがえた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度は、本邦にある医療施設で舌切除術を受けた口腔癌患者のうち、便宜的対象者150名程度を対象者として予定していた。しかし、本邦における口腔癌患者に対する治療施設が限られていることもあり、対象者数の目標に達していない。26年度においても、引き続き調査施設の確保に努める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、舌切除範囲、性別、年齢、日本標準職業分類による就業復帰背景、同居家族構成別に患者を選定し、オーラルリハビリテーションプログラム実施群を介入群[60名程度]、従来の機能低下の程度のみに応じた機能訓練を実施する群を対照群[40名程度]として振り分けるたうえでオーラルリハビリテーションプログラムの検証を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は研究対象者数が少なくなったため、旅費が予定よりも支出されなかったことが大きな要因である。 調査施設を増やす予定であるため、JMS舌圧測定器および関連備品の購入に充てる。
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