乳がんサバイバーのレジリエンス尺度の作成にあたり、レジリエンスの構成要素を明確化するため、『乳がんサバイバーのレジリエンスを促進する要素』について質的研究を行い8つの要素を抽出した。先行研究として行ったがん体験者のレジリエンスの概念分析や、レジリエンスの中範囲理論、小花和(2004)のレジリエンス要因、他の類似した既存尺度などを参考にレジリエンスの概念モデル、および理論的枠組みを作成し、尺度の下位項目を完成させた。次にがん看護の専門家(がん看護専門看護師、乳がん看護認定看護師、がん看護を専門とする大学教員)10名に依頼し、質問項目の妥当性を検討した。その結果、項目を修正して25名の乳がんサバイバーの方にプレテストを行い、レジリエンス尺度(暫定版)64項目を完成させた。 H27年度は、乳がんサバイバーのレジリエンス尺度(暫定版)の本調査を165名に対して行った。基準関連妥当性の検討のため、Mental Adjustment to Cancer Scale(MAC)とThe MOS 8-Item Short-Form Health Survey(SF-8)についても回答を求めた。同時に安定性の検討のために再テストを30名に対して行った。調査は現在継続中である。計240名を目標に調査を進め、信頼性・妥当性の検討を行い、尺度を完成させる予定である。 H26年に日本がん看護学会に掲載された『乳がんサバイバーのレジリエンスを促進する要素』がH27年度日本がん看護学会学術奨励賞(研究部門)を受賞した。
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