本研究テーマは、「放射線治療を受けるがん患者への看護支援モデルの開発」である。平成24年度においては、1)がん治療における放射線治療に関する文献リサーチを追加し実施した。その結果より、治療中の副作用対策について最新情報を取り入れまとめ、患者指導時に活用できるようにした。2)患者教育の手段としてコーチング理論を取り入れ、コーチングモデルの作成をおこなった。 平成25年度においては、調査施設の条件、治療を受ける患者の特性などを考慮し研究計画書の再調整を行った。実施内容は1)研究計画書の再調整を行い、調査対象者を外来通院にて放射線治療を受ける、術後の乳がん患者とし実施することとした。2)患者教育に活用するコーチングモデルを術後の乳がん患者に活用できるように再修正を行った。3)調査に関する倫理申請を行い、実施機関への説明を行い予備調査を実施した。4)予備調査においては、患者の調査協力が得られた方を対象に実施した。 平成26~27年度においては、予備調査結果を受けコーチングモデルの再修正、調査表の再修正を行い、本調査を開始した。外来における放射線治療を受ける患者の場合、治療に必要とされる時間は少なく、治療後には早々に職場に戻るあるいは帰宅したいという希望者が多く調査協力が得られないケースもあった。30名の調査結果に基づき、インタビュー内容を質的に分析し、放射線治療を受ける患者の看護支援モデルを作成した。また、量的なデーターとして、放射線QOL治療中のQOL、についてエンパーメントについて調査した。 結果として、インタビューにおいては、1)治療に伴う副作用症状に対する対策、症状コントロールの方略2)日常生活上の困難3)社会生活上の困難4)治療継続、治療後の不安があげられた。また、QOLやエンパーメントにおいては顕著な低下は認められなかった。 コーチングを用いた教育方法には有効性が示唆された。
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