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2014 年度 実施状況報告書

急性期意識障害患者の脳が賦活化するストロークとタッチ刺激の効果

研究課題

研究課題/領域番号 24593335
研究機関昭和大学

研究代表者

田中 晶子  昭和大学, 保健医療学部, 講師 (90424275)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2017-03-31
キーワード脳血管障害 / 意識障害 / ハンドタッチ / 呼吸数 / 心拍変動 / 脳波 / VAS / STAI
研究実績の概要

【目的】脳血管障害で意識障害となった患者を対象に、ハンドタッチの生理的効果について検証することを目的とした。
【方法】昭和大学藤が丘病院の倫理審査で承認を得、家族に研究の目的及び方法を説明し同意を得た脳血管障害患者5名(71±8.05歳)に実施した。タッチは、被験者の手に「触れる」と「さする」とした。実験プロトコルは、仰臥位安静4分、手に「触れる」及び「さする」各1分を2回繰り返した。継続的に心電図、呼吸数を測定した。各指標について安定したデータ1分間の平均値を求めた。分析は心拍変動解析で副交感神経指標(HF)、交感神経指標(LF/HF)を自然対数に変換し相関係数を求めた。呼吸数はt検定を行った。【結果】「さする」刺激は呼吸数を有意に増加させた。P=0.0003「さする」刺激時の呼吸数と,LF/HFはr=0.318の弱い相関があった。【考察】政岡らは呼吸の増加は扁桃体の活性を高めることを明らかにしている。今回「さする」刺激時の呼吸数の増加は交感神経を上昇させる傾向にあり、この刺激は、扁桃体を活性化させる刺激である可能性が高い。この研究結果をもとに26年度は、健常者を対象にハントタッチである「さする」「触れる」刺激が脳に与える影響について、脳波と呼吸数を指標に実験を実施した。現在23例の被験者に脳波実験及び心理尺度であるSTAI及びVASを実施し、心理尺度及び脳波測定のデータ分析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

25年度は意識障害患者に実験を実施し、「さする」刺激は呼吸数を有意に増加させた。P=0.0003「さする」刺激時の呼吸数と,LF/HFはr=0.318の弱い相関があった。この結果を踏まえて26年度は健康成人で、呼吸をトリガーとする脳波DT法を用いて、脳を賦活化する「rub」と「Touc」刺激の効果を明らかにすることを目的とした。脳波実験の成果をより明らかにするために、20名以上の被験者の実験を予定した。対象となる被験者を集めるのにかなりの時間がかかってしまった。したがって当初の計画よりもやや遅れ気味である。しかし平成27年3月までに被験者23名の実験を終了することができた。また脳波DT法についての分析方法について学習を進めている状況である。心理尺度であるSTAI及びVASの分析は終了したが、脳波DT法のデータ分析が行えていない状況である。27年6月ごろまでにデータ分析を終了し、、今回の結果を学会発表後論文投稿する予定である。

今後の研究の推進方策

26年度に実施した心理尺度であるSTAI及びVASの分析結果及び脳波DT法のデータ分析結果を踏まえて27年度は、意識障害患者を対象に、脳波DT法を用いて研究を実施していく予定であった。したがって当初の計画よりもやや遅れ気味である。今後は、この結果を踏まえて、脳が賦活化する「rub]と「Touch」刺激の効果を明らかにし、意識障害患者の意識回復に役立つハンドタッチ刺激を明らかにしていく予定である。27年度に意識障害患者の臨床実験が実施できるよう、倫理委員会に申請する準備を行っていく予定である。倫理委員会の承認が得られたら、毎回の実験毎にデータ分析を行い、有意な差が表れないと考えられた場合には、実験環境・実験装置・実験方法・被験者の状態について検討し、計画が遂行できるように修正を行う。

次年度使用額が生じた理由

実験に要する諸経費が予定していた経費より安く行えた為。

次年度使用額の使用計画

論文作成時の文献代として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 意識障害患者におけるハンドタッチの効果―生理的機能評価から2014

    • 著者名/発表者名
      田中晶子、黒沼陽子、前田うづみ
    • 学会等名
      看護理工学学会
    • 発表場所
      大阪大学 豊中キャンパス
    • 年月日
      2014-10-04 – 2014-10-05

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公開日: 2016-05-27  

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