研究課題/領域番号 |
24593341
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研究機関 | 日本赤十字豊田看護大学 |
研究代表者 |
前田 節子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (40559142)
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研究分担者 |
山本 敬子 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (70269380)
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キーワード | がん看護 |
研究概要 |
終末期がん患者のほぼ半数は、呼吸困難感を経験する。本研究の最終目的は、全人的苦痛に伴う様々なストレスに関与した呼吸困難感のある終末期がん患者に対して、タッチ療法の有用性を科学的に検証することである。臨床での実験研究に必要とされる健康者への予備的研究では、人工的な呼吸困難感を設定することの倫理的問題が予想される。そこで予備的研究として、フットリフレクソロジーにおける呼吸困難感の軽減について、事例を通し質的、量的に検討した。この予備的研究は平成24年7月-平成25年3月に実施した。結果として、フットリフレクソロジーによる呼吸困難感自体の明らかな軽減には至らなかったが、研究参加者からは「咳,吐気,息切れに関する症状緩和」「気持ちよさ」「気分転換」などの感想が述べられ、中には人生を回想するなど自身の内面を表出する参加者もみられた。また、施術中は参加者全員が閉眼し穏やかな表情をしていた。これらの結果より、触圧刺激といった身体的な触れ合いは、がん患者個々が有する呼吸困難感の要因となる心理的苦痛の軽減への一助につながったものと考える。今後は、呼吸困難感のあるがん患者に対するフットリフレクソロジーによるリラクセーション反応が呼吸困難感に与える影響について、生理学的指標としての自律神経系活性を測定し検討する予定であり、現在進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成24年度の報告の時点では、研究1(質的研究)の結果を基に、研究2(実験研究)の倫理申請後、平成25年9月よりデータ収集開始予定であったが、プロトコールの見直しに時間を要したため、全体に進行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究2(実験研究)について、所属の研究倫理委員会および研究実施施設の倫理審査委員会の承認を得た。平成26年度4月よりデータ収集を開始し、平行して結果の分析を行う。また、研究で得られた成果を国内の学会で発表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に予定していた研究2(実験研究)の開始ができなかったため、データ収集後の共同研究者との打ち合わせのための交通費が、当初の予定よりも少なかったことによる。 平成26年度4月より研究2(実験研究)を開始しているため、実験プロトコールの修正や解析データの検討等、共同研究者との打ち合わせのための交通費や実験研究に使用する物品等の購入費に使用予定である。
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