研究課題/領域番号 |
24593358
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
林 はるみ 新潟大学, 企画戦略本部, 准教授 (80529397)
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研究分担者 |
定方 美恵子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00179532)
宮坂 道夫 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30282619)
佐山 光子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50149184)
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キーワード | 高度生殖医療 / 夫 / 妊娠 / 胎児 / 妻 / ART |
研究概要 |
本研究は、不妊にかかわる内容であることに加え、男性も対象とした調査であるため、研究協力者の確保や面接方法の難度が非常に高い。しかし、これまでに6組の夫婦の協力を得て12名にインタビューを実施した。「夫、「妻」それぞれにインタビューを行い分析を行ったところ、4名の「夫」の継続比較分析及び統合において、新たな知見が示唆された。これまでの研究は、妻が妊娠中の「夫」は研究の対象とされず、妻をサポートする「夫」という位置づけとなっているにすぎなかった。しかし、体外受精や顕微授精後の夫婦においては、妻と同様に「夫」も妊娠初期に強い不安を抱き、妻よりも不安が持続する傾向が示唆された。その他、「夫」の立場からとらえた現象が浮き彫りとなりつつある。 これらの結果は、理論的飽和に至っていないものの結果の公表価値があると考え、平成24年5月、7月、11月に国内学会、12月に国際学会において発表した。2月には日本生殖看護学会誌に投稿しAcceptされ、6月に発刊される予定である。今後も研究協力者の確保につとめ、理論的サンプリングと継続比較分析及び統合を継続しバリエーションの把握、ケアプランの構築へと進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究分野において貴重な研究協力者の確保ができ12名のインタビューを実施した。「夫」である男性4名の継続比較分析及び統合では新たな知見が見いだされ、夫の立場での経験が浮き彫りとなりつつある。これらの結果は、平成24年5月と7月、11月に国内学会、12月に国際学会において発表できた。2月には日本生殖看護学会誌に投稿しAcceptされた。今年度の目標はおおむね達成できたといえる。しかし、バリエーションを把握するためには研究協力者が少ないため、今後も研究協力者の確保につとめ、グラウンデッド・セオリーに準じた継続比較分析を継続し、理論的飽和とケアプラン作成を目指す予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も同様に研究協力者の確保を行い、理論的サンプリングによるデータ収集、継続比較分析、結果の統合と一連の作業を継続する。妻と夫それぞれの立場からとらえた経験や性別役割意識ならびに夫婦の関係性の変化などが浮き彫りとなるよう分析を深め、ケアプランの構築へと進めていく。途中経過については、学会発表や投稿によって結果を公表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究協力者の確保に時間がかかり、インタビュー開始時期の遅れ、研究協力者への謝礼、テープ起こし代と人件費の執行に遅れが出たことが理由と考えられる。 研究協力者はホームページを利用しさらなる確保に努める。研究協力者数の増加によってテープ起こし代も執行される予定である。 研究補助者は今年度に概ね30時間、次年度に20時間の執行を予定し、計画通りの執行を行う予定である。
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