本研究では、体外受精などの生殖補助医療(以下、ART)を受けて子どもが誕生した夫婦を調査対象とした。研究成果は、国内で初めて男性(夫)の立場から捉えた妻との関係、及び受精卵から成長した胎児との関係を明らかにしたうえで、ARTで妊娠した夫婦それぞれの妊娠期の特徴を見出したことである。その特徴は、妊娠初期に自然妊娠とは大きな相違点があるため、ART後の妊娠に特化した夫婦対象のケアプログラムは、夫婦それぞれの治療経過を含む背景を考慮した上で、不妊治療から妊娠期への移行を支えるケアと親役割獲得準備を支えるケアの必要性が明らかとなった。
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