研究課題/領域番号 |
24593359
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
津田 朗子 金沢大学, 保健学系, 准教授 (40272984)
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研究分担者 |
木村 留美子 金沢大学, 保健学系, 教授 (90169946)
増田 梨花 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (70409316)
福井 逸子 北陸学院大学, 人間総合学部, 准教授 (60390374)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 家族看護学 / 気になる子ども / 早期発見 / 早期支援 |
研究概要 |
本研究の目的は、発達障害に類似した「気になる子ども」の抱える問題を明らかにし、早期支援に役立てるために、保育園で保育士が活用できるアセスメントツールを開発することである。今年度は、基礎データシート及び気になる子どもの評価項目の作成を行った。成育歴や家庭環境等を記載する基礎データシートについては、これまで保育園で利用されている子どもや家族のデータベースである保育要録の項目に加え、英国CAFの項目を参考に、我が国の子育て事情を踏まえ、子育て環境やサポート体制、育児への姿勢や思い等も幅広く記載できるものとした。「気になる子ども」の評価項目については、これまでに我々が行った全国調査の成果から得られた問題行動のリストと、先行研究から得られたアセスメントツールの項目等を参考に、研究者間で検討を重ね、高機能・広汎性発達障害児の子どもの行動特性を反映した項目を含む評価項目を作成した。評価項目は、各発達年齢で特徴的にみられる発達のポイントを、保育場面で評価しやすいように、保育に精通する児童心理学の専門家から、保育士がアセスメント可能な観察ポイント及び評価の視点について、専門的な立場から助言を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当該計画では、本年度中にアセスメントツールを完成し、信頼性・妥当性の検討までを終える予定であった。しかし、高機能・広汎性発達障害児の子どもの行動特性を反映した評価項目を検討するにあたり、発達の個人差および保育士の評価のしやすさなどの視点から、児童心理、保育に精通する専門家の指導を受け、検討を重ねた結果、予定した以上の時間を要した。また、評価方法についても同様に、月齢の異なる複数の子どもを保育する中で、保育士が個々に見合った適切なタイミングで評価を行うことは難しく、評価方法も再検討を要したため、ツールの作成までに時間を要し、当該の予定に対して進行が大幅に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に大きな変更はないが、進行が遅れているため、まず作成したアセスメントツールを用い、障害児保育を実施している提携保育園3箇所(園児の総数:約400名)で、評価を実施し、項目の信頼性・内的妥当性、構成概念妥当性を検討し修正を加える。 その後、月毎にデータを蓄積し、各年齢(月齢)における問題行動の評価基準をつくる。また、子ども個人の評価の月毎の推移から、個人の行動の改善や悪化を判定できるようにする。データの入力にはアルバイトを導入し、分析は研究代表者が月毎に行い、その結果を基に研究者会議で検討を重ねる。必要に応じて「研究協力者」の助言を得る。 介入の必要性の高い「気になる子ども」を抽出し、アセスメント様式Cを活用して問題に対する介入の実践を行いながら、月ごとの行動評価を継続する。個人の行動の変化を評価の推移から確認し、介入の効果や発達の状況を量的、質的に評価する。 なお、「気になる子ども」アセスメントツールの作成と信頼性・妥当性の検討までを関連学会にて報告する。
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次年度の研究費の使用計画 |
・研究代表者と分担者・協力者、調査保育園と定期的に会議を開催するための会議費 ・専門家からの助言を得るための謝金 ・作成したシートの活用に関する打ち合わせのため英国の連携研究者との検討会議、情報収集のための旅費、専門の英語通訳に要する費用 ・データ管理・データ分析・処理を行うためのアルバイト代として人件費 ・結果の途中経過報告として、国内の学会に発表するための旅費、及び学会参加費
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