研究課題/領域番号 |
24593359
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
津田 朗子 金沢大学, 保健学系, 准教授 (40272984)
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研究分担者 |
木村 留美子 金沢大学, 保健学系, 教授 (90169946)
増田 梨花 立命館大学, 応用人間科学研究科, 教授 (70409316)
福井 逸子 金沢星稜大学, 人間科学部, 准教授 (60390374)
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キーワード | 家族看護学 / 気になる子ども / 早期発見 / 早期支援 |
研究概要 |
本研究の目的は、発達障害に類似した「気になる子ども」の抱える問題を明らかにし、早期支援に役立てるために、保育園で保育士が活用できるアセスメントツールを開発することである。今年度は、昨年度に引き続き、基礎データシートおよび気になる子どもの評価項目の検討をおこなった。「気になる子ども」の評価項目については、これまでに行った全国調査の成果から保育士の視点で確認された「気になる子ども」の行動を見直し、行動の特徴毎に分類し問題行動のリストを作成した。それらの項目と、先行研究から得られたアセスメントツールの項目等を参考に、研究者間でさらに検討を重ねた結果、高機能・広汎性発達障害児の子どもの行動特性を反映した項目を含む評価項目を精選した。また、保護者との親子関係によって生じる問題も同時にアセスメントできるよう、親との関わりを確認する項目をさらに追加した。さらに、それらを保育士が保育場面の中で評価できるよう、場面ごとに項目を設定し、表現を工夫してシートを作成した。項目はプレテストを行った後、保育に精通する児童心理学の専門家からのアドバイスを受けさらに修正を加えた。子どもの年齢毎に0・1歳児用、2歳児用、3歳児用、4歳児用、5歳児用のシートについては、6場面(36項目~51項目)のアセスメントシートとなった。それらと合わせて基礎データシートの内容も見直し同時に調査する予定であり、対象保育園とは調査の段取りを調整中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
高機能・広汎性発達障害児の子どもの行動特性を反映した評価項目の作成にあたって、発達の個人差および保育士の評価のしやすさなどの視点から、児童心理、保育に精通する専門家の指導を受け検討を重ねており、予定した以上の時間を要した。また、評価方法についても同様に、月齢の異なる複数の子どもを保育する中で、保育士が個々に見合った適切なタイミングで評価を行うことは難しく、評価方法も再検討を要した。
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今後の研究の推進方策 |
5月には障害児保育を実施している提携保育園3箇所(園児の総数:約400名)で、評価を実施予定。評価のタイミングは子どもの状況を考慮すると年度明けの5月以降が望ましいとの返答が得られているため、ゴールデンウィーク明けより開始する予定とした。 データの入力にはアルバイトを導入し、早急に分析をすすめる。 「気になる子ども」アセスメントツールの信頼性・妥当性の結果を関連学会にて報告するとともに学術論文にまとめる。年度末に報告書を作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
アセスメントツール項目を検討するうえで必要と考え受ける予定であった学会・研修会(海外)が急きょ延期となり、その分の旅費を使用しなかったため. 結果経過報告として、研究成果の学会発表、及び情報収集のため、関連の国際学会(英国)への参加に要する旅費(2014年6月)として使用予定である。また、調査の実施に伴う郵送通信費および消耗品費、データ管理・データ分析・処理を行うためのアルバイト代として人件費、研究代表者と分担者・協力者、調査保育園との会議を開催するための会議費、専門家からの助言を得るための謝金に使用する。 論文作成、結果報告のためのするための英文校閲費、印刷費に使用する。
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