研究課題/領域番号 |
24593359
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
津田 朗子 金沢大学, 保健学系, 准教授 (40272984)
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研究分担者 |
木村 留美子 金沢大学, 保健学系, 教授 (90169946)
増田 梨花 立命館大学, 応用人間科学研究科, 教授 (70409316)
福井 逸子 金沢星稜大学, 人間科学部, 准教授 (60390374)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 気になる子ども / 発達障害 / 早期発見 / 保育園 |
研究実績の概要 |
近年、保育所で行動異常や対人社会性の問題等を抱えた(発達障害の可能性のある)「気になる子ども」が多数報告されている。そこで本研究では、この「気になる子ども」の抱える問題を明らかにし、早期介入・早期支援に役立てるために、保育園で保育士が活用できる「気になる子ども」のアセスメントツールを開発した。 対象は障害児保育を実施している5箇所の保育園に通園する子ども(474名)で、アセスメント項目は、発達障害を思わせる子どもの「気になる」行動特性項目、発達に関する項目、生活習慣及び親子の関わりや子育てへの姿勢に関する項目で構成され、保育場面で評価しやすいよう表現を工夫し、年齢毎に作成した。評価は子どもの担任保育士が行い、0歳児は1か月毎、1~5歳児は3か月毎に1年間実施した。 気になる子どもは、0歳児4.3%、1歳児 21.3%、2歳児 24.7%、3歳児 16.8%、4歳児 22.1%、5歳児 24.6%にみられ、男児30.7%、女児8.2%でその割合は男児に有意に高かった。 評価の結果、子どもの発達の特徴と「気になる」行動特性が年齢ごとに示された。また縦断的分析により発達の通過率が示された。0歳児では保育士は反応が乏しい子どもを「気になる」特徴として評価していた。1歳児以上では「気になる」行動特性の項目が年齢毎に抽出され、特に2歳児では健常児との違いが顕著に表れていた。行動特性項目は因子分析により突発性や落ち着きのなさ、過敏性、関心の低さなどの行動特性として得点化され、個々の子どもの得点の高低により自閉症やADHD等の障害を思わせる行動特性のタイプが抽出された。また、年齢毎にカットオフ値を設定し、客観的なアセスメントを可能とした。さらに、「気になる子ども」の親は子どもとの関わりに困難感を感じるものも多い一方で、子どもへの関わりが中途半端と評価されるものが多く、親子関係の問題も示唆された。
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