研究課題/領域番号 |
24593363
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研究機関 | びわこ学院大学 |
研究代表者 |
内藤 紀代子 びわこ学院大学, 公私立大学の部局等, 講師 (30433238)
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研究分担者 |
遠藤 善裕 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (40263040)
森川 茂廣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60220042)
二宮 早苗 滋賀医科大学, 医学部, その他 (70582146)
岡山 久代 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90335050)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 産後女性 / 骨盤底弛緩 / 腹圧性尿失禁 / セルフケア指導 / サポート下着 / 効果検証 / 標準化 |
研究実績の概要 |
近年、女性の2~5割が腹圧性尿失禁を経験しており、その要因として妊娠・分娩による骨盤底筋損傷が指摘されている。本研究において、育児中の女性にとって簡便で負担が少ない腹圧性尿失禁予防・改善効果の高いセルフケアを検証し、指導効果を評価した。 目的 ①産後の骨盤底弛緩に対するサポート下着の効果検証:産後1ヶ月の女性を対象に、サポート下着の効果、従来型の骨盤底筋体操の効果を、介入後16週時点のMR撮像による骨盤内臓器位置にて評価した。結果は、サポート下着群、骨盤筋体操群の膀胱頸部位置(収縮挙上時)は対照群よりも有意に挙上した(いずれもP<0.05)。加えて、MRとの相関を認めた(r=0.53,P<0.001)骨盤底筋力測定器での評価は、対照群よりも骨盤底筋体操群、さらにはサポート下着群の筋力が有意に高かった(P<0.05,P<0.01)。また、サポート下着群において尿失禁のあった者は介入12週時点で全例に症状の改善が認められた。 目的 ②産後のセルフケア指導の標準化とその評価:骨盤底弛緩の予防・改善に必要な産後のセルフケア指導(骨盤底筋体操、サポート下着)を標準化するため、産科を標榜する11施設において作成したパンフレットを用い指導を実施した。実施後、質問紙調査にて指導の評価を行った。結果は、指導を受けた167名中、157名(96.4%)が指導を活用していた。同対象に3か月後、再調査を行なった(回収率55.7%)。引き続き指導を活用していた者は57名(62%)であった。また、サポートパンツに関心を持続させている者は72名(77.4%)、骨盤底筋体操は68名(73.1%)であった。 まとめ:産後の骨盤底弛緩に対するサポート下着の効果は検証され、産後のセルフケア指導を標準化することで、対象の9割は情報を活用し、3か月後も7割以上の産婦がセルフケアに関心を持ち続けることが明らかとなった。
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備考 |
育児サークルにおいて、骨盤底筋セルフケアの啓発を行い産後女性のQOL向上に繋げたいと考えた。子育てサークルの参加者に集団指導と質問紙調査、骨盤底筋測定を行った。 その結果、参加者の8割が「将来、尿もれが心配になる」と回答し、全員が「セルフケアに取り組みたい」と回答した。育児サークルの機会を利用し骨盤底筋セルフケアを啓発することは、自己の骨盤底筋状態を理解し、セルフケアへの動機づけになると考えた。
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