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2012 年度 実施状況報告書

分娩所要時間、分娩第1期、分娩第2期の標準範囲

研究課題

研究課題/領域番号 24593367
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大分大学

研究代表者

穴井 孝信  大分大学, 医学部, 教授 (00202648)

研究分担者 宮崎 史子  大分大学, 医学部, 准教授 (10315195)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード分娩所要時間
研究概要

妊婦の体型、出生体重が変化した最近10年間(平成13年―平成22年)の正常妊娠・分娩における分娩所要時間、分娩第1期、分娩第2期を調査し、現時点における分娩所要時間、分娩第1期、分娩第2期の標準範囲を設定することを目標に調査を開始した。対象人数は初産婦321人、経産婦279人の計600人であった。
初産婦は、分娩所要時間:平均9時間1分、50%タイル値7時間25分、分娩第1期:平均8時間21分、50%タイル値6時間46分、分娩第2期:平均34分、50%タイル値25分であった。初産婦の分娩時間の90%タイル値は17時間27分で、現在の初産婦の遷延分娩とされる30時間と比較して非常に短縮していた。他方、経産婦は、分娩所要時間:平均5時間50分、50%タイル値4 時間48分、分娩第1期:平均5時間29分、50%タイル値4時間30分、分娩第2期:平均14分、50%タイル値10分であった。経産婦の分娩時間の90%タイル値は10時間21分で、現在の経産婦の遷延分娩とされる15時間と比較して非常に短縮していた。
分娩所要時間(分娩第1期+分娩第2期+分娩第3期)は初産婦12-16時間、経産婦5-8時間が標準的な範囲(日本産科婦人科学会)であるとされているが、今回の結果はこれを大幅に短縮している結果となった。分娩所要時間を規定する有意な因子を求めて、母体年齢、身長、妊娠前体重、妊娠期間中の体重増加量、経産回数、新生児体重、妊娠期間を独立因子として重回帰分析をしたところ、経産回数は多いほど時間短縮に働き、妊娠期間は長いほど時間延長に働くことが判明した。いずれも有意な結果であった。その他の因子は有意な因子としては作用していなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

分娩所要時間(分娩第1期+分娩第2期+分娩第3期)の現時点における分娩所要時間、分娩第1期、分娩第2期の標準範囲を設定することを目標に調査を開始したが、分娩第3期の取り扱いで予想外の時間を示すデータが散見され、取扱いに苦慮している。
分娩第3期は新生児出生後から胎盤娩出までの期間であるが、癒着胎盤、母体出血などの母体体格、新生児体重以外の種々の理由で延長する例があり、分娩第1期+分娩第2期の時間と分娩第3期までを入れた分娩所要時間との性質が異なっているため、分娩第3期を入れると解析が困難になっている。分娩第3期は調査対象から外した方が良いかもしれないが、分娩所要時間の定義から外れるので外すことはできない。従って、明らかに延長した分娩第3期を外すため、対象選定にやや困難を生じているため、予想より調査が遅れている。

今後の研究の推進方策

分娩第3期の取り扱い方針を明確にする。分娩第3期の90%タイル値を越える症例は除外する方針で臨む予定である。分娩第1期、分娩第2期は問題なく、分娩第3期の見直し後に、分娩第1期、2期、3期を併せた分娩所要時間として、改めてすべてのデータを見直す予定である。

次年度の研究費の使用計画

研究費は、すべて物品費に使用する予定です。主にデータ解析用のソフトとインクカートリッジ、用紙などの消耗品に使用予定です。ただし、現在使用中のプリンターがインクカートリッジ式のため、レーザ式を追加して購入することも考慮しています。

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公開日: 2014-07-24  

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