研究課題/領域番号 |
24593373
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 久美子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (20292039)
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研究分担者 |
佐々木 成子 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30448831)
イーラ タマ アヨ 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 研究員 (70623792)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 先天異常 / 妊娠初期血清葉酸値 / 葉酸代謝関連遺伝子多型 |
研究概要 |
先天奇形は出生時の生命を脅かすものであり、新生児死亡原因の第1位を占める。生命の危険がない先天異常であってもその子ども、家族にとっては長期的な健康管理を必要とし、心理的負担を抱くものである。近年は、先天奇形の多くを占める多因子疾患の解明も進んできている。本研究は、既に先天性神経管閉鎖不全症との関連が明らかにされている葉酸に関して、他の先天性奇形との関連を検討することを目的に、北海道全域の産科医療施設を受診している妊婦に対して実施している大規模コホート「北海道スタディ」参加者を対象にした研究である。平成24年度は、北海道スタディ参加者20,500人(平成15年~平成24年12月)のうち、平成15年~平成20年12月までに分娩終了した女性約12,500人の妊娠初期調査票、新生児情報のデータのクリーニング作業を行い、妊娠初期血清葉酸値、出産後母体血(葉酸代謝関連遺伝子一塩基多型分析)データとの統合を行った。また、新生児情報に関する問い合わせも分娩施設に実施した。分析条件を決め、先天性単一奇形を有するグループと先天異常等のないグループに分け、先天異常のないグループから母親年齢、出産回数、教育歴などをマッチング条件として分析対象者の選定を行った。H25年度は、妊娠初期調査票と新生児情報、妊娠初期血清葉酸値データから先天性単一奇形発生と妊娠初期の生活環境、血清葉酸値の関連を論文にする。また、分析対象者の出産後母体血を使用して、葉酸代謝遺伝子多型の分析を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在の勤務場所はH24年度に新設した教育機関であり、定員が教授1名欠員でスタートした。そのため、学生への教育準備を始め、教育環境整備、人的組織の調整などの校務を優先させていた。そのため、研究の時間確保が困難となり、協力者との連絡・調整も不備を生じた。それらの状況のために、当初の研究計画よりも実施が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
分析対象者の選定が終了したため、今年度は出産後血を使用して葉酸代謝関連遺伝子一塩基多型分析を実施していく。また、妊娠初期調査票と新生児情報、妊娠初期血清葉酸値データから先天性単一奇形発生と妊娠初期の生活環境、血清葉酸値の関連を論文にする。先天異常の研究動向を把握するため、7月末開催の日本先天異常学会に参加することを予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
H24年度は、葉酸代謝関連遺伝子のSNPs解析も行う予定であったため、解析に必要な物品購入やデータ整理等の人員確保などのために2,730,000円を予算計上した。しかし、「11」に記載したように勤務施設が開設初年度であったため、研究進行が滞った。H25年度は本研究を推進すべく、葉酸代謝関連遺伝子一塩基多型分析実施のための検査試薬等の購入、遺伝子分析や論文作成に向けた文献購入、文献・データ整理に関する人員確保などを中心に研究を使用する予定である。
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