研究分担者 |
川口 徹 青森県立保健大学, 健康科学部, 准教授 (80241678)
宗村 弥生 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (10366370)
内城 絵美 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (80457738) [辞退]
伊藤 耕嗣 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (70610814)
大脇 万起子 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00280008)
田中 栄利子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (50595692)
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研究実績の概要 |
近年の少子・高齢化,家族形態の多様化等子どもを取り巻く社会環境の変化に伴い,年々増え続ける小児肥満がわが国の重要な課題となっている.本研究では,子どもの肥満に影響する要因を探索し,その結果を参考に児童の健康観を養う健康教育の内容・方法を,保健医療の専門家として構築することを目的とした.小児肥満の割合が全国平均よりも多いA市,少ないB市に住む小学5年生の児童を対象に,平日の2~3日間,起床時から就寝時まで活動量計(Lifecorder Me,スズケン)を装着してもらい,1日の身体活動量を測定した.また,体格や日常生活の様子(所属している部活動や習い事,通学方法etc),健康に関する意識等を調査した.A市4校,B市5校の児童616名に配布し,有効回答が得られたのは【雪のない季節】A市365名(99.2%),B市246名(99.6%),【雪の季節】A市336名(91.3%),B市237名(96.0%)であった.平均歩数は,【雪のない季節】A市15726.3歩(SD=4401.64),B市14541.3歩(SD=5321.14),【雪の季節】A市12468.5歩(SD=3198.78),B市13101.1歩(SD=4613.61)であり,降雪という環境要因が小学生の活動量に影響していることが推測された.また,構造方程式モデリング手法を用いたモデルの構築から,学童後期の保健行動として,『健康への考え』,『家庭環境』,睡眠などの『生活習慣』が重要な概念であることが明らかになった.児童を取り巻く学校・家庭・地域と連携を図りながら,運動習慣の定着化を図る取り組みが重要であると考える.さらに,母親が子どもの生活習慣をマネジメントしている家庭は肥満傾向児が少なく,母親が子どもの体格をどのように認識しているかも食事の与え方や内容に影響しており,家庭環境の重要性も示唆されていた。
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