研究課題/領域番号 |
24593379
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
坂本 めぐみ 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他部局等, 准教授 (50279577)
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研究分担者 |
恩田 理恵 女子栄養大学, 栄養学部, 准教授 (10307077)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 経済的・社会的ハイリスク妊産婦 / 食育 / 栄養教育 / 看護職 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、経済的・社会的ハイリスク妊産婦への食生活と栄養調査を実施した。平成27年4月~9月に総合病院の産婦人科診療施設に受診し分娩を行った経済的・社会的ハイリスク妊産婦に対して、食生活および簡易版食物摂取頻度調査を実施した。対象者は16名であった。 調査の結果、平均摂取エネルギーは1,653kcal/日、たんぱく質摂取量は60.0g/日、脂質割合は28.8%であり、平成25年度に実施した比較群の調査結果および国民健康栄養調査結果と同様であった。微量素栄養素摂取ではこれまでの調査と同様であったが、カルシウムと葉酸の摂取量は個人差が大きく、推奨量を満たすものが3名、鉄分では0名であった。16事例のうち2事例に深刻な栄養不足や問題のある事例が存在した。 これまでの調査より調査の総括を行った。全ての妊産婦に食・栄養教育は必要であるが、特に経済的・社会的ハイリスク妊産婦は栄養アセスメントを行い、重点的な指導を行う対象者を選定することが必要である。また経済的・社会的ハイリスク妊産婦は子ども虐待予備軍であり子どもの食生活に問題を有する場合があり、虐待予防の視点からも周産期からの食・栄養教育は重要である。 また、経済的・社会的ハイリスク妊産婦への食・栄養教育には、経済的問題、理解力、食体験や調理経験が一般の妊産婦に比して低下している場合があること、妊産婦自身と児への関心が低い場合があり、従来行われている食・栄養教育とは異なる指導方法が必要であること、周産期医療を担う看護職や、地域保健活動を行う看護職は差し迫った経済的・社会的問題、周産期の異常、母子の子育て支援などへの対応があり、時間をかけた食・栄養教育を行うことが出来ないことが明らかとなった。 このような課題と現状を踏まえて、経済的・社会的ハイリスク妊産婦に対する看護職が食・栄養教育を行うことが出来るような教育媒体を作成した。
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