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2012 年度 実施状況報告書

胎児の健全な成長発達に向けた妊婦の日常生活行動の検討-酸化ストレスを指標にして-

研究課題

研究課題/領域番号 24593382
研究種目

基盤研究(C)

研究機関千葉県立保健医療大学

研究代表者

川城 由紀子  千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (20337108)

研究分担者 石井 邦子  千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (70247302)
細山田 康恵  千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (70196608)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード酸化ストレス
研究概要

研究初年度は妊婦健康診査で採血を受ける妊婦を対象に、酸化ストレス状態と主に脂質代謝、食事摂取状況および精神的ストレス状態を指標に横断的調査を実施した。
59名の妊婦から研究協力の同意が得られ、妊娠週数は8~37週であった。
血清中の酸化ストレス状態は、Reactive Oxygen Metabolites(d-ROMs値)と抗酸化力Biological Antioxidant Potential(BAP値)、尿中の酸化ストレス度は8-ヒドロキシ‐デオキシグアノシン(8-OHdG値)を指標とした。血清中d-ROMs値は525.3±121.7 U.CARR、BAP値は2021.7±272.5μmol/lであった。クレアチニン換算後の8-OHdG値(29名)は12.3±5.9ng/mg・CREであった。
d-ROMs値と他因子との相関をみると、妊娠週数(rs=0.47, p<0.01)、非妊時BMI(rs=0.27, p<0.05)、LDLコレステロール値(rs=0.36, p<0.01)、SOC総得点(rs=0.33, p<0.05)と関連が見られた。BAP値は、妊娠週数(rs=-0.71, p<0.01)、LDLコレステロール値(rs=-0.68, p<0.01)、HDLコレステロール値(rs=-0.30, p<0.05)と関連が見られた。尿中8-OHdG値については、特に明らかな傾向は見られなかった。食事調査について、酸化ストレス度や抗酸化力と食事摂取内容との関連はみられなかった。抗酸化力があるとされるビタミンCについて、質問紙調査による摂取量と血中濃度の関連は見られなかった。
今年度の結果から、妊娠週数と共に酸化ストレスは強くなり、抗酸化力は弱まることが明らかになった。また、酸化ストレス状態と脂質代謝や精神的ストレス状態との関連の可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の研究計画は、妊婦の酸化ストレス状態と食事摂取および精神的ストレス状態の関連を横断的に調査し検討するものであった。研究協力施設や対象者からの協力も比較的順調に得られ、目的とするサンプル数の調査を行うことができた。一方で非妊婦に対する調査を計画していたが、対象者を集めることができず実施できなかった。
上記のことを総合的に評価し「おおむね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

初年度実施できなかった非妊婦への調査は、対象となり得る方々が所属する施設と調整がつきつつあるので、次年度調査を実施できる見込みである。
初年度は妊婦を対象とした横断的調査を実施し、酸化ストレス状態と妊娠週数との関連を見出すことができた。しかし、酸化ストレス状態は個人差が大きいとも言われているため、妊婦個々の妊娠中の酸化ストレス状態の変化も検討する必要がある。次年度以降は妊婦を対象とした縦断的調査を行い、酸化ストレス状態とそれに関連する要因を明らかにしていく。また、出生後の児の健康状態との関連も合わせて調査していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

物品費:酸化還元分析キット、食事調査用質問票、測定用消耗品、文具等に使用する。
旅費:調査や学会参加に伴う交通費に使用する。
人件費・謝金:調査協力者への謝金に使用する。
その他:生化学検査、8-OHdG値測定、栄養分析の委託費用、サンプル搬送代、郵送代とする。

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公開日: 2014-07-24  

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