研究課題/領域番号 |
24593384
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
山本 美智代 首都大学東京, 健康福祉学部, 准教授 (00269515)
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研究分担者 |
中川 薫 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (00305426)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 災害研究 / 障碍児 |
研究概要 |
研究成果①-1 東日本大震災時に首都圏に住む重度障碍児者が経験した困難や生活上の不安を明らかにすることを目的に,重度障碍児者とその家族8名を対象にインタビュー調査を実施した.その結果,大地震とその後の計画停電によって重度障碍児者が遭遇した出来事から,《災害発生時の中で生きる困難》と《不測事態の中での生活不安》のカテゴリーを抽出し,《災害発生時の中で生きる困難》は〈生命維持の困難〉,〈帰宅困難〉,〈避難困難〉に,《不測事態の中での生活不安》は〈代替方法が見つからない不安〉,〈生活時間が組み立てられない不安〉,〈社会的サービスの利用を制限される不安〉に分類できた.そして,これら結果から災害時の備えを検討した.【本研究成果は小児保健研究72巻に掲載した】 研究成果①-2 東日本大震災時に首都圏に住む発達障碍児を対象に24年度は7名の母親にインタビュー調査を行い,《地震に伴う子どもの反応》《子どもの過剰反応に対する母親の思い》の2つのカテゴリーを見出した.《地震に伴う子どもの反応》には,〈恐怖からのパニック〉,〈いつも通りの生活が送れないパニック〉,〈頻繁に入るこだわりスイッチ〉の3つのラベルがあり,《子どもの過剰反応に対する母親の思い》には〈子どもの反応へのストレス〉,〈積み上げてきた育児の自信喪失や頼もしさ〉,〈被災地映像の中に子どもを置いた不安や恐怖〉のラベルを見出すことができ,発達障碍児が災害時にS直面する影響が明らかになり,災害発生時の対処方法について検討を行った. 【本研究結果は第17回日本在宅ケア学会学術集会で発表した】 研究成果② 東日本大震災時に首都圏の医療機関および訪問看護ステーションの影響については,現在医療機関1件,訪問看護ステーション2件の調査が済んでいる.今後医療機関4件,訪問看護ステーション3件の調査を予定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度当初の目標であった,障碍をもつ子どもが災害発生時に直面する困難については明らかになり,重症心身障碍児の方は論文に掲載された.発達障碍児の影響については学会発表を行い,今後論文にするために学会誌に投稿する予定でいる.
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要,研究成果②に示した医療機関および訪問看護ステーションの調査が途中の段階であり,引き続き次年度に継続した調査を予定している
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度の予算に残金が生じたのは,医療機関や訪問看護ステーションを対象とした調査において,研究協力の承諾をとるために時間がかかり,順調に進まなかったために調査が滞ったためである.繰り越した残金は,医療機関や訪問看護ステーションの調査において,インタビュー対象者への研究協力謝礼として使用する.25年度の予算はアンケート調査に使用する.
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