| 研究課題/領域番号 |
24593388
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| 研究機関 | 順天堂大学 |
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研究代表者 |
泉川 孝子 順天堂大学, 保健看護学部, 准教授 (80413243)
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| 研究分担者 |
豊田 淑恵 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (60207652)
天田 城介 立命館大学, その他の研究科, 准教授 (70328988)
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| キーワード | DV被害者支援 / 看護職 / 早期発見 / 困難感 |
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| 研究概要 |
看護職に求められているＤＶ被害者の早期発見及び、予防のための教育プログラムの開発は、DV被害者支援に困難感を感じている看護職の問題解決を図り、DV被害者への自律（自立）支援につながると考えられる。目的は、DV被害者に関わっている看護職を対象に、質的方法、アクションリサーチ法を用いて、看護職のDV被害者の早期発見及び予防のための教育プログラム（アクションプラン）の課題を検討する。2012年度は、研究その１．看護職が抱えるDV被害者への対応における困難感についての検討として、個別インタビューまたは、フォーカスグループインタビュー調査を行った。対象は、A､又はB病院に所属する病棟看護師3名、外来看護師2名、助産師４名。研究者2名。その結果、疑わしいケースについて、病棟では、カンファレンスでの事例検討、上司への報告から医療相談室や他機関への連携、または緊急時は守衛室への連絡があがった。外来では、身体への傷、あざに気付くが本人が転倒したと返答すると、その場で終わってしまうこともある。また、心理的症状が出現した場合は精神科への受診や、疑わしいと思っても本人の訴えがない場合は退院となるケースが明らかになった。参加者のインタビュー結果から、院内における相談システムを明らかにし、支援環境・機関を整えるフローチャート（案）を作成した。
研究その２．教育プログラム（アクションプラン）の検証においては、その１で研究協力の同意が得られたFGメンバー、外来勤務者：2名、病棟勤務者：６名が参加し、相談システムのフローチャートを元に、DV支援者支援チェックシート（DVの観察点、およびNANDA看護診断から抜粋）を活用して、1ヶ月間、2013年2月～3月初旬で観察記録を実施した。しかし観察期間が、1か月と短く検討するまでの結果が十分に得られていない。そのため再度、検証の余地がある。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2012年度は、研究その１、看護職が抱えるDV被害者への対応における困難さの検討として、看護職9名を対象に研究者2名で個別インタビュー、またはフォーカスグループインタビュー調査を行った。その研究成果をもとに、研究その２として、その１で、同意が得られた、外来勤務者：2名、病棟勤務者：6名について、支援環境・機関を整えるフローチャートを作成、DV被害者支援チェックシート（DV被害者の観察点、およびNANDA看護診断から抜粋）を活用して、1ヶ月間、観察・記録を実施した。
これは当初、2013年に計画予定であった、教育プログラム（アクションプラン）の検証を先行して実施したが、観察期間が1か月と短期間であったため、さらに検証する余地がある。以上フォーカスインタビュー時以外は、研究主担当が行った。また、看護職が抱えるDV被害者の対応における困難さの検討についての成果は、日本母性衛生学会において、口演で報告を行った。
加えて、看護職のための早期発見及び予防の教育プログラムの検討の際には、地域におけるDV被害者支援プロジェクトチームと協働し検討を行うことについても加味していく必要がある。また、2014年度におけるリフレクションによる評価は、当初の計画予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
2013度年は、日本母性衛生学会において看護職が抱えるDV被害者への対応における困難さについて検討し口演で報告を行った。しかし研究計画は、2012年度に少々前倒しで進めていたが、主担当の所属先の異動により当初の予定より停滞した。
2014年度は、研究その２について、研究その１で得られた成果から、フローチャートの作成、DV被害者支援チェックシート（DV被害者の観察点、およびNANDA看護診断から抜粋）を活用し、1か月の観察記録を検討した結果を元に、再度、期間を延長して観察を実施したいと考えている。主担当の先行研究として、2010年度の看護職のDV被害者の遭遇とその対応の実態調査と2011年度、研究者とDV被害者支援に関わる公的及び民間の支援者、DV被害当時者とのフォーカスグループインタビューの分析結果、及び今回の研究課題における、2012年度の看護職のDV被害者の対応における困難さの検討の研究成果をもとに、地域におけるDV被害者支援プロジェクトチームと協働し看護職のための早期発見及び予防の教育プログラムの開発を検討することも視野にいれている。
2014年度：リフレクションによる評価
教育プログラムの評価ポイントとして、①看護職におけるDV被害者の健康問題の捉え方の変化について、②DVについて得た情報量についての看護職の認識について、③DV被害者への看護職の支援で改善した点とその内容について、④看護職の支援がDV被害の予防につながった点について、アクションリサーチのフィールドに開発した教育プログラムを適用し、評価する。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
2013度年は、日本母性衛生学会において看護職が抱えるDV被害者への対応における困難さについて検討し、その成果は口演で報告を行った。その際、学会会場が勤務地に近く、旅費が予定より少額となった。また分担者は、日常業務の都合で当学会に参加できない状況となった。研究計画は、研究主担当の所属先の異動が予測された時点から、2012年度に少々前倒しで進めていたが、研究参加者への謝金、研究フィールドへの交通費、逐語録作成に関連した費用、文献等について使用予定額が少額となってしまった。
2014年度は、研究その２教育プログラム（アクションプラン）を再計画している。研究その１で得られた、フローチャートの作成、DV被害者支援チェックシート（DV被害者の観察点、およびNANDA看護診断から抜粋）を活用し前回は、1か月の観察記録を実施した。しかし十分なデーターが得られていない。そのため再度、期間を延長して観察を実施したいと検討している。そこで研究参加者への謝金、研究フィールドへの交通費、逐語録作成に関連した費用等を予定している。また看護職のための早期発見及び予防の教育プログラムを検討する際に、地域におけるDV被害者支援におけるプロジェクトチームと協働する際に、支援施設相談員への謝金が必要となる。また、研究その２、教育プログラム（アクションプラン）の成果については、学会等で報告の予定であるため、旅費等の予算が必要となる。
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