研究課題/領域番号 |
24593389
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
小迫 幸恵 山口県立大学, 看護栄養学部, 講師 (20347537)
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キーワード | 小児救急 / 保護者 |
研究概要 |
平成25年度は、【小児の急病時における保護者の不安の軽減につながる要因の検討】を研究目的とし、乳幼児をもつ保護者を対象に、①質問紙調査:保育所、幼稚園などに子どもを通わせている保護者を対象に、子どもの急病時における対応や、急病時における不安、その不安の解決に向けての方策など、保護者の不安の内容や要因やその不安の軽減につながる項目に関して質問紙により調査を行う。②グループインタビュー:乳幼児をもつ保護者のうち、上記質問紙調査の際にグループインタビューへの承諾が得られた人、A市小児医療座談会へ参加している保護者のうち承諾が得られた人を対象に、質問紙調査の結果から明らかになった不安要因や不安の軽減につながる項目についてグループインタビューを行った。 質問紙調査の結果、第一子の時がもっとも保護者の不安が大きく、子どもの発病時の対処行動について保護者自身での判断が難しいことがわかった。その際に、保護者の親(祖父母)や友人に相談している割合が高かった。子どもの発病時の受診については、「迷う」と答えた保護者の割合が高く、その内容としては「受診しても良いかどうか(症状)」「受診のタイミング」「受診先」などが挙がっていた。子どもの急病時の対応の方法や受診先に関する情報としては、ほとんどの保護者がパンフレットなど持っていたが、「事前にしっかりと目を通した」「理解できた」という実感はなく、子どもが発病した際に参考にするという事例が多かった。初めて子どもが発病した際に「落ち着いて対応できた」と感じている保護者では、事前に家族や友人と発病時の対応や受診先などについて話したことがあると答えたケースが多かった。 以上の結果より、次の目的である【小児の急病時における保護者の不安の軽減および対処能力の向上につながる支援プログラムの作成】を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度に実施予定であった調査で使用する質問紙の作成に時間がかかったため、全体の進捗が遅れている。現在は、次の目的である【小児の急病時における保護者の不安の軽減および対処能力の向上につながる支援プログラムの作成】に向けて、保護者の不安の軽減や対処能力の向上につながる支援プログラムを検討を行っているところである。
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今後の研究の推進方策 |
現在【小児の急病時における保護者の不安の軽減および対処能力の向上につながる支援プログラムの作成】を目的とし、①小児の急病時における保護者の不安の軽減につながる要因のまとめをもとに、保護者の不安の軽減や対処能力の向上につながる支援プログラムの検討、②研究協力が得られた乳幼児の保護者並びに小児医療関係者に、内容や妥当性や実現可能性についてヒアリングを行い、修正を加えることを行っている。 支援プログラムを作成後、【小児の急病時における保護者の不安の軽減および対処能力の向上につながる支援プログラムの効果の検証】を目的に、乳幼児をもつ保護者や協力の得られた保育所、幼稚園、育児支援施設、関係機関などを対象として、以下の方法で研究を実施する。①作成した小児の急病時における保護者の不安の軽減および対処能力の向上につながる支援プログラムを実施する。②実施した際の参加者に、その効果について質問紙調査(事前および事後調査)及びグループインタビューを行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に実施予定であった質問紙調査の実施が遅れており、今年度実施したが調査紙の回収を現地で実施できたため、申請時に予算計上していた郵送費などを使用しなかったため。また、平成25年度に実施予定であったヒアリング等がまだ実施できていないため、平成26年度に実施する予定である。 現在作成中である【小児の急病時における保護者の不安の軽減および対処能力の向上につながる支援プログラム】を試作次第、保護者や小児医療関係者、関係機関などにヒアリングを実施する予定である。その後、保護者の情報収集につながるリーフレットなどの作成と併せて、平成26年度計画である【小児の急病時における保護者の不安の軽減および対処能力の向上につながる支援プログラム の効果の検証】を目的に、乳幼児をもつ保護者や協力の得られた保育所、幼稚園、育児支援施設、関係機関などを対象として、研究を実施する。
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