研究課題/領域番号 |
24593399
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本赤十字秋田看護大学 |
研究代表者 |
加藤 尚美 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部, 教授 (60255411)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 助産師 / 専門性自律 / アクションリサーチ / 自律を阻む要因 |
研究概要 |
本研究は、助産師の専門的自律性について、精神的自律、技能的自立、経済的自立等を考慮して、助産師の専門的自律モデルの構築ならびに助産師の専門的自律性測定尺度の開発を目的として3年計画で実施している。1年目は当初の計画に従って実施した。 1.助産技術の専門的自律の要因になる助産技術の検討のため文献検討ならびにアクションリサーチを行った。 【方法・対象】秋田県内の病院、診療所で出産を扱っている助産師長ならびに3年以上の臨床経験を持つ助産師対象とし10名が参加した。①助産師は自律しているか②助産師の自律を阻む因子は何か③助産師が何故自律できていない課題についてリサーチクエッションを設定し発言を求めた。参加者の発言はテープに撮り、逐語録を作成カテゴリー化し分析をした。倫理的配慮として、アクションリサーチのメリットを説明し参加の意思を確認後自由参加とした。また、途中での退室も自由であることを確認後行った。 【結果・考察】参加者は10名,助産師臨床経験は5年以上が8名、30年以上が2名であった。助産師業務の自律が出来ていないその思いは「ストレスの度合いが強い」「医療施設という環境」「医師への気遣い」「経済的自立」の4つのカテゴリーが抽出された。また、自律をしていると感じた事は、「信頼」「対象者の評価」「母乳育児」「地域での関わり」等が抽出された。また、助産師の自律を阻む要因は、「医師との関係」「経験年数」「助産師としての専門職性に対する意識」「助産師教育」の4つが上げられた。特に協働者である医師との関係についてストレスを抱え自らの自律を阻んでいた。また、助産師が自律できない課題として「医師への依存」「組織の中での立場」「モデルの不在」等が上げられた。助産師が自律を妨げている理由の多くは、病院という環境の中で協働者である医師との関係が大である事が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に従い、アクションリサーチを行い、助産師の専門的自律測定尺度開発の一段階を終え、次のステップへとしての調査項目を作成する手がかりを得た。 また、定期的に研究協力者と過去に行われている、尺度の開発に関する文献検討を行い 次年度に繋がっている。現在も継続して、文献検討および分析方法について検討中であり、本研究目的達成のための基礎となる調査は予定どうりに行われた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、アクションリサーチで得て、カテゴリー化されたもの及び文献から得られたものを基に,専門的自律性を測定する尺度の作成を行い、調査項目を厳選し、アンケート調査用紙を作成、プリテストを行う。平成25年末には助産師にアンケート調査を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画では、1年目にパーソナルコンピュター並びに分析用ソフトを購入する予定であったが、25年度に持ち越した。25年度初めにパーソナルコンピュータを購入し研究調査用単独のものとして使用する予定である。また、今年度は、アンケート調査を実施するために通信費並びにデータ入力委託費、また統計処理のための専門家の意見を聞くための費用を計画している。現在のところでは、使用計画に従い進めていけると考えている。
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