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2012 年度 実施状況報告書

青年期の小児がん経験者が健康に主体的に向き合うための教育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24593403
研究種目

基盤研究(C)

研究機関淑徳大学

研究代表者

小川 純子  淑徳大学, 看護栄養学部, 准教授 (30344972)

研究分担者 伊藤 奈津子  淑徳大学, 看護栄養学部, 助教 (00340117)
鈴木 恵理子  淑徳大学, 看護栄養学部, 教授 (20249246)
河上 智香  東邦大学, 看護学部, 准教授 (30324784)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード小児がん経験者 / 健康観 / 青年期 / 歯科受診 / 口腔ケア
研究概要

【歯科受診に関する調査研究】関東近郊の小児がんの親と本人の会に所属する約200名を対象に、歯科受診と口腔ケアの実態について調査を実施した。研究参加者の63%が歯科クリニックを受診していた。歯科受診の目的は齲歯の治療(56%)、歯の健診(58%)と、健康な小児の受診理由と同じであったが、歯根の成長不全(11%)、欠歯(11%)、エナメル質低形成(3%)など、晩期合併症をもつ小児がん経験者がおり、口腔に関する困りごとをもっていた。歯科治療を拒否されたり、受けられない治療があった のはそれぞれ1名ずつと少なく、発症前から継続して 通っているクリニックでは、小児がん治療後も安心し て歯科受診を継続できていた。退院時に、信頼できる 歯科クリニックの存在を確認し、家族の不安を聞くこ とが大切である。また、多くの歯科医師に小児がんを知ってもらうこ とにより、小児がん経験者が、信頼できる歯科医師と出 会い、健康診断を継続できる環境を整えていく必要があると考える。
【イギリスにおける青年期の小児がん経験者への健康に関する教育】平成24年10月にイギリスのリーズとロンドンにある思春期・青年期の小児がん患者への医療施設を訪問し、彼らへのケアや教育について情報を得た。教育の方法として、若者のコミュニケーションツールであるインターネットを用いたり、ピアサポートが出来るような会合を企画することで、思春期・青年期の小児がん患者が、自ら健康について考える機会を提供していた。
【青年期にある小児がん経験者の健康行動・健康観に関する調査研究】千葉県にある小児がんの治療を行っている6施設で過去に治療を受け、治療終了後5年以上経過した青年期(18歳~30代前半)にある小児がん経験者200名を対象に郵送による質問紙調査を計画し、倫理審査で承認を得た。平成25年度に調査を開始する。


現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初は、平成24年度に青年期にある小児がん経験者の健康行動・健康観などに関する質問紙調査を実施する予定であったが、その前に「歯科受診と口腔ケア」に特化した調査を行ったことも影響し、平成24年度には研究計画書を作成し、倫理審査の承認を得るところまでで終了した。そのため、申請時の計画と比べるとやや遅れている。
しかし、人間の健康の基盤となる「歯」の健康について調査したことにより、小児がん経験者の口腔内の健康を維持する事をサポートする歯科医師や歯科衛生士に、小児がん患者についての理解を促す必要性が明らかになった。
イギリスにおいて、青年期の小児がん経験者への健康に関する教育プログラムを学ぶ機会を得たので、小児がん経験者同士がお互いにサポートできるようなしくみの必要性を感じたので、今後教育プログラムの作成に活かしていく。

今後の研究の推進方策

平成24年度に承認された「青年期にある小児がん経験者の健康行動・健康観などに関する質問紙調査」を、千葉県内の医療施設を中心に、実施・分析する。また、他の県での同様の調査の可能性を模索し、可能性があれば対象の数を増やして調査を継続する。
平成25年度の2月頃に、青年期にある小児がん経験者のための教育セミナーの開催を計画する。教育セミナーに向けて、専門職者会議を開居て内容を熟考する。セミナーでは、本研究で明らかになった青年期にある小児がん経験者の健康行動と健康観の特徴を小児がん経験者に紹介すると共に、健康維持のための「栄養」と「運動」に関するワークショップを取り入れることを考えている。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は、小児がん経験者を対象にした調査を実施するため、調査の通信費(約8や調査協力への謝礼が必要である。また、昨年度実施した歯科に関する研究を、香港で開催される国際小児腫瘍会議にて発表し小児がん経験者の健康行動や健康観について、他国の看護師と情報交換を行うため、旅費を使用する。
2月に開催予定の、ワークショップに向けての会議費や、ワークショップでの講師の謝金、会場費、配布物の印刷などの費用が必要となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] THE STATE OF DENTAL VISIT AND ORAL HEALTH CARE IN CHILDHOOD CANCER SURVIVORS2013

    • 著者名/発表者名
      Junko Ogawa, Natsuko Ito, Eriko Suzuki, Chika Kawakami
    • 学会等名
      Society of International Pediatric Oncolgy
    • 発表場所
      香港
    • 年月日
      20130926-20130928
  • [学会発表] 小児がんの治療を受けた子ども・経験者の歯科受診と口腔ケアの実態2012

    • 著者名/発表者名
      小川純子、伊藤奈津子、鈴木恵理子、河上智香
    • 学会等名
      日本小児がん看護学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20121130-20121201

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公開日: 2014-07-24  

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