研究課題/領域番号 |
24593407
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
齋藤 益子 東邦大学, 看護学部, 教授 (30289962)
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研究分担者 |
濱嵜 真由美 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (90352335)
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キーワード | 助産診断 / 電子カルテ / 妊娠期 |
研究概要 |
平成24年度に実施したマタニティ診断の妊娠期における経過診断名と健康生活診断名の臨床での利用状況に関する医師と助産師の結果を日本看護診断学会に報告し、意見交換をした。マタニティ診断名を毎日の妊婦健診のなかで、カルテに記載していくことは、外来の業務として、難渋しており、実際に取り入れている施設は少ないことがわかった。そこで、それを実施している施設を訪問し、どのようないきさつで導入できたのか、外来の妊婦健診のどの時期に診断名を入力し、活用しているのかについて検討することにした。島根県の某施設で妊娠期から産褥期の診断名を電子カルテに導入しているとの情報を得て、研究協力を依頼し訪問した。その施設の看護体制や電子カルテの実際を見せて頂き、診断名が直接どのように電子カルテに記載されており、どのように活用されているのかの説明を受けた。さらに3月の助産学会の際に、電子カルテに診断名を導入していくためにはどのようなプロセスが必要なのかを検討する交流集会を設けた。2施設の協力を得て開催し、現状を聞き、意見交換を行った。電子カルテに診断名を導入しても診断指標を確実にチェックするということは困難で、診断指標を全て列記しての診断ではなく、カルテに診断指標は導入されていなかった。また、NANDAの電子カルテを導入している施設では、他の診断名を追加することの不具合などもみられた。助産診断は、現在ウェルネスの診断名として出しているが、昨今のハイリスク妊婦の増加に伴い、実在型の診断名を同時に診断できるように検討する必要がある。 今後は、ハイリスクも含めた、実際の外来で見かける妊産婦の状況を適切に診断できる助産診断名として、電子カルテへの導入を進めていく方向で検討していくこととする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
医師の意見は聞き取り調査により、ほぼ現状でよいという意見で集約された。 助産師の意見は、助産外来での診断の意味や保健指導との関係などの理解を促し、さらに活用しやすくするための意見を求めていく。そのために対象を拡大して、意見を聴取する。
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今後の研究の推進方策 |
26年度は妊娠期の診断名を明確にして、電子カルテへの導入の可能性を検討する。診断名を整理し、電子カルテを作成したい。共同研究者として電子工学の専門家に研究協力を依頼して電子媒体としての診断名を入れた電子カルテを作成する。また、看護診断学会に参加して、マタニティ診断の電子カルテ作成に関する情報を得る。マタニティ診断に関する研究の成果を踏まえて、研究会を開催し、診断名の活用に関する意見交換、及び作成した電子カルテを試用してみる。最終的には外来で活用できる形にしていくために、診断名をいれた電子カルテの作成を試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の使用額が生じた理由は次のとおりである。①面接調査の相手との面談を学会時に併せて会場で行ったため、交通費を使用しなかった。②調査表を個人宛に発送する予定で、切手代などの通信費を計上していたが、まとめて送ることが出来たため残金が生じた。③国際学会への参加旅費を使用しなかった。 診断名を整理し、電子媒体としての診断名を入れた電子カルテを作成するための委託費。電子工学の専門家に協力を依頼するための人件費。看護診断学会や助産学会、母子看護学会に参加して、マタニティ診断の電子カルテ作成に関する情報を得るための旅費に当てる。また、研究の成果を踏まえて、研究会を開催し、診断名の活用に関する意見交換、及び作成した電子カルテの試用を依頼するためのCDの作成費用と郵送料に使用する予定である。
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