研究課題/領域番号 |
24593409
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
喜多 里己 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (30367221)
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研究分担者 |
谷口 千絵 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (10349780)
千葉 邦子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (40553574)
山本 由香 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (00588858)
小原 真理子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (00299950)
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キーワード | 災害拠点病院 / 助産師 / 災害 / 妊産婦支援 |
研究概要 |
東日本大震災の被災地の一災害拠点病院に研究協力の同意が得られた。病院内の研究参加者サポート体制を整えた後、研究参加者募集を開始した。研究協力施設に勤務する看護師・助産師4名と、病院支援として派遣された助産師5名の応募があり、研究目的と方法について説明し同意を得たのち、半構造的面接にてデータ収集を行った。データ分析は、逐語録から参加者の被災地病院での活動・体験を抽出し、被災地の勤務助産師と派遣助産師の2グループで、帰納的に分析した。 結果(1)被災地災害拠点病院に勤務する助産師の活動 被災地病院に勤務する助産師は、発災直後に対策マニュアル通りの行動とり、自らが被災者でありながらも、近隣の妊産婦すべてを受け入れるという病院の方針のもと、物資・人材不足の懸念を感じながら活動していた。また、日本各地から派遣された助産師を受け入れることへの戸惑いを感じながらも、派遣助産師受け入れの工夫を行っていたことが見いだされた。 結果(2)被災地災害拠点病院に派遣された助産師の活動 病院支援として派遣された助産師は、疲弊した被災地の助産師を少しでも休ませたいという思いや、被災した妊産婦を目の当たりにして感じたこと、現地の妊産婦支援行動のためには病棟内だけでなく行った病院全体や被災地の状況に目を向けて活動を行っていたことが見いだされた。 今後の予定:データ収集は終了した。今後は、被災地災害拠点病院の勤務助産師と派遣助産師のデータの分析結果を統合し、被災地病院に派遣される助産師に必要なコンピテンシーを見出し、考察する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
被災地での研究参加募集は、震災から2年終了した時期に開始した。しかしながら、研究参加者として応募は少なく、当初より研究参加者数は少なくなった。2年という歳月を経ても、研究参加者として自らの被災経験を語ることができる方ばかりではないことがうかがえ、参加者数は少ないながら、1年間で研究参加募集を終了することとした。 そのためデータ収集期間が長くなり、データ分析がすべて終了していない。しかしながら、2つのグループでの分析は終えることができたので、今後は、2グループを統合し全体的な分析を行いながら、研究の最終目的を達成したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
1.派遣助産師のコンピテンシー素案の検討 これまでに見いだされた研究成果(1)被災地災害拠点病院に勤務する助産師の活動、(2)被災地災害拠点病院に派遣された助産師の活動を統合し、コンピテンシーを見出す。 2.派遣助産師のコンピテンシーの洗練 看護系学会で交流会を開催し、2つの研究成果を発表するとともに、研究参加者にシンポジストを依頼し、コンピテンシー案を交流会参加者との意見交換の場で検討し、被災地災害拠点病院に派遣される助産師に求められるコンピテンシーを洗練させたいと考える。
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