平成26年度は早期家庭訪問を実施した。5名の開業助産師とA病院の協力を得た。開業助産師は訪問に先駆けA病院での研修と日本助産師会主催の家庭訪問事業に参加し実施に備えた。現行の「新生児訪問」や「こんにちは赤ちゃん事業」のように、出産後1ヶ月近く過ぎてからの訪問ではなく研究者が以前調査した結果から、退院直後より不安をもつ母親の存在は明らかなため、退院直後から訪問に行ける体制、母親の希望日を最優先した訪問の実施に心がけた。協力を得た病院では「母乳外来」や「育児教室」を用意して来院を促していた。今回は、これらの教室に参加せず訪問を希望する人を対象とした。結果、対象数は15名、初産婦が4名、経産婦11名だった。初回訪問は退院後1週間以内が5名であり1/3を占めていた。 ケアを受けた母親からは、「1ヶ月検診の前に悩んでいることが聞けて良かった」「今回の訪問はとても助かりましたし支えになりました」「二人目の出産でしたが、不安も疑問もたくさんありました」「核家族なので頼れる助産師さんがいるということだけでも心強かった」などの意見が見られた。一方、訪問した助産師からはタイムリーな支援ができることを高く評価していた。 今回の結果から、退院直後からの支援の重要性、また、経産婦に対しても初産婦同様の支援が重要であることが明らかになった。
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