研究課題/領域番号 |
24593415
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
横手 直美 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (10434573)
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研究分担者 |
鳥越 郁代 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (30217591)
山下 恵 中部大学, 看護実習センター, 助教 (70347425)
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キーワード | 緊急帝王切開 / 予定帝王切開 / 妊婦 / 適応 / 出産準備教育 / プログラム開発 |
研究概要 |
本研究では、緊急帝王切開(以下、帝切とする)に対する妊婦の適応力を高めるために、妊婦に対して帝切に関する包括的な出産準備教育プログラムを開発し、そのプログラムを用いた介入研究を実施することを計画している。そのプログラム開発の第一段階として、平成24年度は帝切経験者516名(緊急帝切群258名、予定帝切258名)に対してネットリサーチを行い、対象者が妊娠中あるいは術前に得ていた帝切に関する情報や出産準備教育の実態を把握し、帝切経験者の満足度から今後のニーズや要望を探った。 平成25年度は、第二段階として、Trial of Labor After Cesarean Delivery (TOLAC)を試行する女性の情報提供・出産前準備教育と出産体験に関する認識を調査した。TOLACでは他の妊婦よりも分娩途中に緊急帝切となる可能性が高く、TOLACを希望する妊婦は、分娩方針の選択や分娩準備において特別な情報提供や出産準備教育が必要であり、その出産体験はより複雑であることが推測されたためである。 調査方法にはMixed methodsを用い、25年度は面接調査を実施した。対象者は直近3年以内にTOLACを試行した女性で、結果的に経腟分娩した(以下、VBACとする)女性2名、緊急帝切となった女性2名、計4名であった。また、既往帝王切開妊婦の分娩方針や情報提供は、分娩施設によって大きく異なるため、幅広い分娩施設の属性と地域特性のデータが得られるというメリットから、TOLACを施行した者に対するネットリサーチの準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題申請時の計画に沿って、TOLACの経験者に対する面接調査を実施した。結果は分析途中であるが、結果的にVBACした女性と緊急帝切となった女性の準備状況や出産体験の認識における相違点を明らかにすることは本研究の目的に貢献すると考える。また、分娩施設の方針や地域特性によるバイアスを考慮し、当初の面接調査に加えてネットリサーチも併行することとし、その準備も整った。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、25年度に行ったTOLAC経験者に対する面接調査のデータ分析を行う。また、TOLAC経験者に対するネットリサーチを実施し、質的および量的データの両側面の分析結果から、TOLACによる複雑な出産体験を理解し、特別な情報提供や出産準備教育のあり方を検討する。そして、研究成果の還元と一般および専門職者からの意見をいただく機会として、「帝切分娩のケアと出産準備教育を考えるシンポジウム」(仮題)を開催する予定である。 平成25年度に実施できなかった帝切の出産準備教育についての研究視察については、今後、施設の選定も含めて再検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
帝切の出産準備教育についてオーストラリアの施設を研究視察する予定だったが、スケジュールの都合で実施できなかった。 視察する施設の選定を含めて再検討し、研究視察を行い、プログラム開発の参考とする。
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