本研究の目的は、在日中国人女性留学生の性の健康維持・増進をもたらす看護支援方法を開発することであった。 平成25年度は、在日中国人女性留学生のセクシュアル/リプロダクティブヘルスニーズを把握することを目的に無記名自記式質問紙調査およびインタビュー調査を実施した。 平成26年度は、調査結果を整理・分析し、その成果を学会に発表した。また、これまでに実施した調査の分析結果・収集した情報の分析結果・研究者らの先行研究成果と文献検討の結果等に基づいて、在日中国人女性留学生のための映像教材(中国語、カラー映像11分(DVD))とリーフレット教材(中国語と日本語の2種類、A4両面カラー印刷)を製作した。平成27年度は、製作した教材を活用した在日中国人女性留学生のための婦人科受診行動支援プログラムを作成し、その有用性を検証するために介入研究を実施した。データ収集はフォーカスグループインタビュー法を用いた。その結果、プログラムの「良かった点」「改善点」さらに「リプロダクティブヘルスへのニーズ」が明らかになった。また、製作した教材は、在日中国人女性留学生が在籍する大学等の関連機関、約150カ所に寄贈し紹介した。 平成28年度は、介入研究の結果を第36回日本看護科学学会学術集学会にて発表した。 本研究で開発した在日中国人女性留学生の性の健康維持・増進をもたらす看護支援方法は有用性がある。また、作製した映像教材やリーフレット教材は、それぞれ単独でも使用可能であり、多く教育機関等で活用していただけるよう今後も広報していきたい。
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