研究課題/領域番号 |
24593417
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
真野 祥子 摂南大学, 看護学部, 准教授 (90347625)
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キーワード | 注意欠陥多動性障害 / 虐待 / 認知 |
研究概要 |
一般的に虐待が起こる母親の特徴として、子どもの行動をネガティブと評価する認知の仕方に個人差があり、歪みがあることが明らかにされている。また、母親の子どもに対する愛着感は虐待行為と関連があることが指摘されている。実際、ADHD児は虐待を受けるリスクが高い。そこで、昨年度のインタビュー結果、母親の子どもに対する認知・愛着、虐待に関する先行研究の結果をもとに、ADHD児を持つ母親に特化した質問紙(尺度項目)を作成した。この質問紙をADHDと医師から診断された子どもの母親に配布し、研究への協力を依頼した。子どもがADHDと診断を受けるのは、集団行動を求められる幼児期から学童期の頃が多く、特に学童期に周囲の者から集団行動の困難さが指摘されやすいことから、学童の母親を研究対象とした。研究フィールドは、筆者のこれまでの研究で協力を得られた母親、研究協力者である医師の担当患者、小学校関係者を介して協力を得られる母親とし、現在、データ収集中である。データ収集数の目標を100以上とし、100に達した時点で因子分析を実施する予定である。 ADHD児の母親に特徴的な認知スタイルを明らかにするためには、比較対照群として健常な母親に特徴的な認知スタイルも明らかにする必要がある。そこで、子どもの年齢や性別、家族構成などの属性が類似した通常学級児の母親にも質問紙を配布することし、現在、フィールド開拓中である。対照群もADHD群と同様に、100以上のデータを収集予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ADHD児はクラスに約1名の割合で存在するが、既に診断を受け、なお且つ研究協力が得られる母親を約100名募ることが難しい。また、研究対象者にADHD群の属性に類似した健常児の母親を含めることしたため、新規フィールド開拓に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、新規にフィールドを開拓してデータ数を増やしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
被検者募集(質問紙配布)が予定通り進まなかったため。 今年度は身近な場所でデータを収集していたが、今後は他県へ出向いてデータを集める。また、これまでの研究で協力を仰いだ医師や親の会をはじめとする発達障害を持つ子どもとかかわりをもつ関係者に、母親や親の会の紹介を依頼する。さらに、学会等に参加し、研究者どおしのネットワークを広げ、研究協力者を増やしていく。
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