研究課題/領域番号 |
24593417
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
真野 祥子 摂南大学, 看護学部, 准教授 (90347625)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 注意欠陥多動性障害 |
研究実績の概要 |
本研究は、注意欠陥多動性障害児の母親の認知・愛着スタイルに着目して虐待発生のメカニズムを明らかにすることを目的としている。昨年度作成した注意欠陥多動性障害児の母親に特化した認知・愛着に関する質問紙(尺度項目)、その他の属性についての質問紙への回答を、医師から注意欠陥多動性障害と診断を受けた子どもの母親に依頼していった。被験者は、筆者のこれまでの研究で協力を得ることができた母親、研究協力者である医師の担当患者で研究参加の同意が得られた母親や親の会、小学校関係者を介して協力が得られた母親をリクルートした。また、新規フィールド開拓として、研究協力者を通じて、協力を仰ぐことができる医師、学校関係者、親の会関係者をさらに紹介してもらっている。 注意欠陥多動性障害児の母親に特徴的な認知・愛着スタイル、虐待発生のメカニズムを明らかにするためには、定型発達児の母親にも同じ質問紙に回答をしてもらい、2群を比較する必要がある。そこで、これまでに収集した注意欠陥多動性障害児群のデータを分析して、子どもの年齢・性別、母親の年齢、家族構成などの属性の傾向を検討した。そして、その属性と類似した通常学級に所属している子どもの母親を定型発達児群としてフィールドを開拓し、質問紙を配布した。30名のデータを収集したところで予備的検討を行い、各尺度項目の平均、標準偏差、最大値、最小値、歪度、尖度、分布を確認し、回答傾向の偏りを検討した。現在、データ収集中である。 2群ともにデータ収集数の目標を100以上とし、100に達した時点で分析に取り掛かる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
注意欠陥多動性障害児はクラスに約1名の割合で存在するが、医師から診断を受け、なおかつ研究協力が得られる母親を100名以上募ることは容易ではない。また、被験者として新たに注意欠陥多動性障害児群の母親と属性が似た定型発達児の母親を含めていくこととし、平成26年度から新規に研究フィールドを開拓しつつデータ収集をしているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も注意欠陥多動性障害児群、定型発達児群ともに新規にフィールドを開拓してデータ数を増やしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙配布が予定通り進まなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
児童精神科病棟を持つ病院の医師、外来で児童精神科を担当している医師、特別支援教育に携わっている学校関係者とのネットワークを広げていく。そのためには、児童精神科関連の学会に参加する、知り合いの医師や学校関係者にデータ収集をお願いできる人や親の会等を紹介してもらうことを考えている(旅費、学会参加費)。 データ数が目標に到達した時点でデータを入力し(謝金)、統計ソフトを購入する。分析後は学会発表(旅費)、論文投稿(投稿料)にとりかかる。
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