研究課題/領域番号 |
24593419
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
西村 明子 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (20324783)
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研究分担者 |
石原 あや 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (20290364)
藤田 優一 武庫川女子大学, 看護学部, 講師 (20511075)
大橋 一友 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30203897)
勝田 真由美 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (70514909) [辞退]
末原 紀美代 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (90112044) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 産後うつ病 / 父親 / 予防プログラム |
研究実績の概要 |
産後うつ病の父親の子どもは、多動や喧嘩が多いなどの発達上の問題があることが、国外の1万人規模の調査で明らかになっている。また、うつ状態の父親はそうでない父親に比べて、読み聞かせや歌を歌うなどの子どもとの豊な関わりが少なく、乳児を叱る際に体を叩くことが4倍多いと報告されている。そこで、本研究は、我が国における、父親の産後うつ病の有病率と関連要因を明らかにし、産後うつ病の予防と早期発見のための産後健診プログラムを開発することを目的に研究を実施した。 先行研究により、産後3か月から6か月の父親が最もうつ状態になりやすいことが判明しているため、生後4か月の乳児を養育している2032組の夫婦を対象に自記式質問紙調査を行った。807組(39.7 %)の夫婦を分析対象とし、うつ状態はエジンバラ産後うつ病自己調査票(EPDS)により測定した。その結果、110名(13.6 %)の父親がうつ状態であり、ロジスティック回帰分析の結果、父親のうつ状態は、パートナーのうつ状態(adjusted ratio (AOR) 1.91, 95 % confidence interval (CI) 1.05-3.47)と低い夫婦関係満足度(AOR 0.83, 95 % CI 0.77-0.89)とに関連が認められた。そこで、妊娠期から産後6か月までに生じる生活と夫婦関係の変化を明らかにすることを目的に、産後4か月から6か月の夫婦6組を対象にインタビューを実施した。その結果、母親は父親に比べて生活の変化が大きいと感じていた。また、夫婦関係自体は妊娠期から変化せず、その良否は、父親の家事や育児の量ではなく、パートナーや子どもへの父親の関心の程度が影響する可能性があることが明らかになった。 現在、これらの結果を基に父親への産後うつ病の啓発と予防のための冊子を作成中であり、今後、妊娠期における両親学級で実施し効果を検証する予定である。
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