研究課題/領域番号 |
24593422
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
山本 八千代 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (10295149)
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研究分担者 |
竹元 仁美 聖マリア学院大学, 看護学部, 准教授 (10310913)
宮城 由美子 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (20353170)
杉浦 絹子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (50378296)
泉澤 真紀 旭川大学, 保健福祉学部, 教授 (50468310)
秋鹿 都子 島根大学, 医学部, 講師 (90342279)
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キーワード | 看護職のエンパワメント / 児童虐待被害者 / 性暴力被害者 / 看護師起用に対する医師の認識 |
研究概要 |
児童虐待、DV、性暴力被害者に対する医療機関の初期診療の実態と看護者教育の課題を明らかにすることを目的とし、質問紙調査を実施した。対象は児童虐待、性暴力被害者の診療を行う医師(行った経験が無い医師も含む)である。自記式質問紙調査は①フェイスシート(診療科、性別、年齢、産婦人科あるいは小児科医師としての経験年数等)、②被害者対応の実態、③看護者(助産師、看護師、准看護師、保健師を含む)が行うべきと考える内容、③看護者(助産師、看護師、准看護師、保健師を含む)が身につけるべきと考える内容等で構成した。約170名の医師から回答があった。詳細は分析中であるが、調査結果を概観すると、若年層の医師達は概ね看護職者が被害者ケアを行うべきとの認識を示した。今後は看護者教育をさらに充実させる必要性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
司法看護学(Forensic nursing)は1990年代に北米で開発され発展してきた看護学の領域の一つである。今日では触法患者の看護ケア、犯罪や事故被害者ケアおよび証拠採取、高齢者虐待など幅広い事象を扱う。さらに司法看護は、ドメスティック・バイオレンス(以下DV)、児童虐待、性暴力などから発する健康問題も取り扱う。法的証拠を科学的に採取、保存し、被害者の人権を守りつつ適切な看護ケアを行うなどその役割は大きい。本研究は、DV、児童虐待、性暴力被害者に対する司法看護技術向上のための看護者教育プログラムを開発、運用および評価し、看護者教育(基礎教育・継続教育)モデルを構築することを目的としている。日本の医療機関における診療は医師主導、医師主体に展開されているため、看護実践は医師の看護師起用の意向に左右される。そこで本調査を実施した。今後は医師の意向に沿った被害者看護のあり方を探求し看護者教育実践に導入可能となる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査において得られたデータを詳細に分析し、DV、児童虐待、性暴力被害者に対する看護ケアの方法をを開発する。導き出された看護ケア方法を、看護者に教育するための方法を開発する。プログラム内容は知識、技術、態度で構成し、プログラムの到達目標を設定した後、各到達目標の評価を行う指標項目、判定方法を考案する。その後看護師・助産師の有資格者を対象に司法看護教育プログラムを実施し、プログラム評価を行い、プログラム内容の精選をはかる。
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