研究課題/領域番号 |
24593424
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐伯 和子 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (20264541)
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研究分担者 |
平野 美千代 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (50466447)
本田 光 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (80581967)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 保健師 / キャリア発達 / 専門職務能力 / 職務満足 / アイデンティティ / 尺度開発 |
研究実績の概要 |
平成27年度は最終年であり、行政保健師の総合的なキャリア発達尺度を作成するための分析を行った。また、調査に協力をしてもらった北海道ならびに全国の自治体にそれぞれの研究結果の概要をまとめ報告書を送付した。 総合的なキャリア発達尺度の開発については、最初に平成25年に調査を行った北海道データのうち、保健師の実践能力について客観的自己評価ができると考えられる保健師経験3年以上の対象者566人の分析を行った。62項目について、天井効果、フロアー効果を確認し、Pearson相関係数を確認し、Good-Poor分析を行った後、探索的因子分析(一般化された最小二乗法でプロマックス回転)を行った。尺度の構成概念妥当性は確認的因子分析を行った。既知グループ法を用いて、保健師の経験年数と下位尺度得点の関連をt検定または一元配置分散分析(ANOVA)を用いた。信頼性は尺度全体と下位尺度についてクロンバックα係数で内的整合性を検討した。その結果、最終的に32項目が尺度項目となり、第一因子は14項目「地域活動・施策・管理」、第二因子は9項目「保健師アイデンティティ」、第三因子は9項目「保健師としての基盤」となった。クロンバックα係数はすべての項目で.9以上の値を示し信頼性は確保された。既知グループ法においてもすべての因子において有意な差があった。 総合的なキャリア発達尺度の開発については、さらに平成26年に調査を行った全国調査データでも同様の方法で分析を行った。全国調査データは42項目のデータであり、因子分析の結果、24項目4因子構造の尺度となった。第一因子は9項目「地域活動・施策・管理」、第二因子は6項目「保健師としての基盤」、第三因子は5項目「保健師アイデンティティ」、第四因子は4項目「職務満足」となった。この結果は、より簡便な行政保健師の総合的なキャリア発達尺度といえる。
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