研究課題/領域番号 |
24593425
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齋藤 美華 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20305345)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 看護学 / 定年退職 / 高齢男性 / 地域活動 |
研究概要 |
本研究は、定年退職後の高齢男性を対象とした地域活動への参加支援プログラムを開発することを目的としている。 そこで、まず、平成24年度は定年退職前の向老期男性が求める地域とのつながりの意味を探求し、概念を抽出することを目標としていた。 本研究は、方法論としてエスノグラフィーを用いる。エスノグラフィーの目的は文化の記述であり、ある集団に属する人々の経験に基づいたデータを用いて、その人たちの文化と結びついた理論を形成し、人間の行動を理解することができる。エスノグラフィーは人々の生活の中で生じる経験に関するデータから、ある特定集団の文化を帰納的に明らかにしようとするものである。したがって、調査は対象者の行動が行われている場に身を置いて、対象者との相互作用の中から参加観察、インタビュー、対象者の人々が作り出している記録物など多様なデータ収集方法を用いて人々の生活を丸ごと調査するところに特徴がある。そのため、この研究方法を用いることにより定年退職前の向老期男性が求める地域とのつながりという独自の文化の理解が可能であると考えた。しかし、この調査を遂行するには、研究者を受け入れ、信頼関係を築きながら調査を進めていくことが可能な市町村および対象者が必要である。 フィールドの選定において、平成24年度は、これらのマッチする対象地域の検討と交渉に困難を極め、時間を要した。定年退職前の向老期男性が求める地域とのつながりの意味においては、文献を中心に概念の整理を行うとともに、定年退職前の男性の生活背景や課題について、学会参加や文献検討から理解を進めていった。これらの得られた結果を基に、平成25年度はフィールドを特定し、より詳細なインタビューおよび分析を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、対象者の立場から、意味を理解し、概念を抽出するところに特徴がある。そのため、エスノグラフィーという参加観察およびインタビューを主体とした手法であり、対象者と信頼関係を築きながら行うということが前提となる。さらに、本研究は4年計画であり、最終的にはプログラムの開発を目的とするため、プログラムそして、実施・評価に対して市町村保健師の理解と協力を得ながら、4年間、継続して計画を遂行していくことが重要となる。それらの条件がマッチする対象地域の検討に時間を多く要したためである。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の研究実施計画の目標である定年退職前の向老期男性が求める地域とのつながりの意味を探求し、概念を抽出するとともに、平成25年度の研究実施計画目標である、抽出された概念を基盤にプログラムを開発していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、当初計画していた定年退職前の向老期男性に対する参加観察およびインタビューなどのデータ収集を次年度に延期することによって生じたものであり、延期したデータ収集に必要な経費として平成25年度請求額と合せて使用する予定である。
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