研究課題
基盤研究(C)
(1)同意が得られた一般住民を対象としたアンケート結果を分析し、住民のヘルスリテラシーと生活習慣、主観的健康感、ソーシャル・サポートの関連を明らかにした(分析対象数:945)。ヘルスリテラシーを尋ねる各項目において、「強くそう思う・そう思う」と回答した割合が多かった項目は「健康に関する様々な情報源から自分に必要な情報を選ぶことができる(伝達的ヘルスリテラシー)」(69.5%)であり、最も少なかった項目は「健康に関する情報を活用し、適切に行動や計画ができる(批判的ヘルスリテラシー)」(51.7%)であった。伝達的ヘルスリテラシーは男性より女性に高く(p<0.001)、批判的ヘルスリテラシーは女性に高い傾向にあった。伝達的・批判的ヘルスリテラシーの高さは、運動習慣、禁煙習慣、外出頻度(多い)、主観的健康感の高さに関連していた。また、ヘルスリテラシーの高い者にMental Distressの割合が少ない傾向にあった。ヘルスリテラシーの高い者の特性として、ソーシャル・サポートが多い、経済状態が良いことが挙げられた。住民の健康増進には、対象者のリテラシーレベルに合わせたアプローチと、リテラシーに着目した健康教育を考慮する必要性が示唆された。(2)秋田県内の自治体において、高齢期の健康とソーシャル・キャピタル、及びヘルスリテラシーの関連を明らかにするための調査を企画し、関係者と協議した。文献検討を行い、調査票を作成した。
2: おおむね順調に進展している
これまで実施した調査の分析を進め、25年度実施の調査項目を検討した。また縦断調査実施に向けて対象地域と協議をするとともに、実施の了解を得た。
秋田県A町において、住民票を有する65歳以上の住民のうち、介護保険の要支援・要介護認定を受けていない男女約1200名を対象とした質問紙調査から、高齢者のヘルスリテラシーとソーシャル・キャピタルの関連を分析すると共に、これらが高齢者の介護予防に与える影響を明らかにする。
当該助成金が生じた理由:調査対象地である自治体との協議の結果、調査を自治体との共同実施で行うこととなった。対象自治体との話し合いにより、同様の調査が行われる時期を避け、調査実施を25年度前半とすることとした。使用計画:調査実施:1,000,000(郵送料、印刷費、調査謝礼(文房具)、調査作業、調査旅費)、データ分析:500,0000(データ入力、統計ソフト、コンピュータ)、成果発表:500,000、調査対象地への結果還元:170,000(報告会、報告書)
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