研究課題/領域番号 |
24593431
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 恵子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50300091)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 地域看護 / 公衆衛生看護 / 子ども虐待 / 保健師 / 家族生活力量 / ストレングスモデル |
研究概要 |
本研究の目的は保健師を対象にストレングス・モデル(Rapp,1998/1998)を用いた子ども虐待事例検討会を実施し、家族の強みに着眼し、家族生活力量の向上をめざすケア内容を実践できるように介入し、実施評価することである。具体的には、子ども虐待事例の事例検討を実施後、モニタリング、評価を螺旋的に展開し、保健師等が実施したケアと虐待が起こっている家族の家族生活力量の変化、虐待の改善度、家族問題の変化との関連について分析・評価することである。2012年度は次の2つの調査を行った。 1.子ども虐待事例を支援している保健師を対象に「家族の強みに着眼し、家族生活力量を高める」ことを目的とした研修会を2会場で述べ5回開催した。研修会で、研究者がこれまでの研究で抽出した有効なケア内容について報告し、参加者からケア内容について妥当性の評価を得るよう意見を聴取した。 2.これまで同様の方法で研究者が実施し・蓄積してきた検討事例22例の支援内容とアウトカムを調査した。現在、得られている結果は次のとおりである。 1.有効な家族支援について、①より、早い(育児不安レベルの)段階からのアプローチをする(訪問すること)②家族生活力量のアセスメントをし、生活力量を高める支援をする③保護者、家族に寄り添い、味方となる、④親の子育てで、できているところやよい面を認める⑤活用できる資源をともに考え、活用できるようにすることである。 2.家族生活力量、ケア項目、の質問紙調査は統計ソフトを用いて分析するとともに、質的データは内容分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2012年度の計画である研修会での意見聴取を実施し、さらにこれまで蓄積した事例についてのケア内容とアウトカムのデータは収集できている。統計分析が終了しておらず、今後、早急に実施していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、子ども虐待事例検討会(保健所3か所、年6回程度)を企画、実施する。 事例検討会参加者の中から、子ども虐待事例検討会参加者(研究参加者)を募り、開始、継続させる。事例検討会では、研究者がファシリテーターとなり、参加者が①家族生活力量アセスメント、②ストレングス・モデルを用いた家族の生活力量を向上させる支援ができるように検討する。 事例検討会は、検討、実践、モニタリング、評価の過程を螺旋的に展開させ、支援開始時と支援終了時(もしくは検討後、3、6、12か月後)に家族生活力量、虐待の改善について、参加者で評価を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
備品:研究推進のために必要な学術図書を整備するための費用を計上する。 消耗品:データ保存用のUSBメモリ、用紙、電池、その他、研究に必要な文具を整備する。 旅費:国際学会に参加し、世界レベルの先進的な取り組みについて情報収集するとともに、研究成果を公表する。研究打ち合わせ旅費(新潟県内)、事例検討会のための旅費(新潟県内資料収集旅費(県外旅費)、成果発表用旅費(国内旅費)を計上する。 謝金等:子ども虐待の有効な支援内容の分析において、看護、福祉等の専門的知識の提供を受ける。研究資料の整備や質問紙調査集計等の実務的作業について事務補助者への謝礼を計上する。また、学術雑誌への投稿においては一部翻訳、ネイティブチェックの費用を計上する。
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