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2014 年度 実施状況報告書

団塊世代男性の退職後の地域デビューと閉じこもり予防を一体的に支援する体制の検討

研究課題

研究課題/領域番号 24593434
研究機関福井大学

研究代表者

米澤 洋美  福井大学, 医学部, 講師 (10415474)

研究分担者 北出 順子  福井大学, 医学部, 講師 (80509282)
長谷川 美香  福井大学, 医学部, 教授 (90266669)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2017-03-31
キーワード団塊世代 / 男性 / シルバー人材センター / 健康管理 / 社会参加
研究実績の概要

本研究では、退職後の高齢者が就労と地域の接点であるシルバー人材センターを健康管理も行う拠点と位置づけモデル事業を展開する。結果、地域活動への参加から閉じこもり予防までを一体的に促進する地域支援システムの構築の検証を目的としている。
今年度は、モデル事業のプログラム作成に先駆け先進事例を国内外で視察・聞き取りを実施した。デンマークの退職後の高齢者が運営や企画にも関与し、「高齢者が高齢者を支える」しくみを確立している実態把握を行った。結果、高齢者自身のやりがいと支える側のサポート体制についての貴重な示唆を獲た。日本同様に男性ボランティアの参加者が少ないことや、支援をしたいが当事者が拒否的であればできない事例もみられ、日本に限らず共通課題を抱えていることがわかった。反面、高齢者の活動拠点には、積極的に外出している男性高齢者も多く、日本の男性との相違をみた。また、国内ではシルバー人材センター管理者に対する聞き取り調査をX県内全体で行った。その結果、これまで事務的経験をもつ高齢者が入会に繋がらない、退職年齢が延長されたことで退職後シルバー人材センターに入会して活躍したい人が減少している等が明らかになった。団塊世代男性が入会したくなる条件や生きがい就労に繋がるためのしかけが求められていることがわかった。さらに、会員が会員のために自主企画により健康管理に繋がる事業を開催している先進事例を調査した。結果、「まずば自身が楽しい」「出かける機会が日頃ないので出かける機会となった」「これまで敬遠してきたが、企画委員になることで次回も参加したくなる」などの本人の変化があり、加えて「他の会員が楽しんでもらいたい」「シルバー人材センターのイメージを変えたい」等の自身以外への貢献や変化を考えていることがわかった。退職後の高齢者が閉じこもらずに社会参加を続けるために必要な要素や課題に関する貴重な示唆を獲た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度に実施する予定であった海外視察が受け入れ施設との調整がつかず持ち越し、本年度に実施となったため全体的にずれ込んでいるが、海外視察内容も踏まえプログラム構築に持ち込みたいと考えた結果、進捗状況がやや遅れる結果となった。
全国調査の実施に先駆けて調査項目の厳選にあたり、X県内全体の質的調査を実施したため、全国調査の実施が翌年に持ち越しとなっている。
最終年度に実際にシルバー人材センターでの健康管理に繋がるプログラムを作成し、実施する予定であり、そのために必要な条件について本年度視察および管理者向け調査を行った。汎用性を高めるためにさらに全国規模で健康管理にテーマを絞り、ヒアリングを続けていく予定である。これらの結果を生かし、次年度は協力センターとの調整を図り、実際のプログラム実施を行う予定である。よってこの遅れについては挽回できるものと考える。

今後の研究の推進方策

国内外の先進事例から退職後の高齢者が社会参加を行い、生きがいをもって就労・仲間作りを行うために求められる要素やそれを実現するためのサポート体制についての示唆を得た。管理者および実務者、当事者のそれぞれから、特定のクラブやセンターだけの事情ではない汎用性の高い内容が含まれていた。
わが国では急速な高齢化の中で団塊世代が後期高齢者に入る2025年までに可能な限り健康寿命を延伸し、生涯現役で暮らせる社会環境の整備が急務である。日本の高齢者は就労意欲が高く、交流や健康目的等経済的意味合い以外にも長く働きたい者が多い。就労と地域デビューの接点に現代の高齢者のニーズにマッチさせた健康や介護予防的側面も強化した場を設定することは途切れることなく社会参加ができ健康寿命の延伸が期待できる。その意味において平成25年度現在、全国1300箇所に展開するシルバー人材センターでの果たす期待も大きいと考える。 これまでの研究結果を生かし、次年度は退職高齢者の地域での受け皿の一つであるシルバー人材センターにおいて、高齢者の高齢者による健康管理に関する企画・運営プログラムを導入しその有効性は高いと考える。特に都市部と比較し退職後の高齢者の受け皿の少ない地方の農村部を拠点としたシルバー人材センターをモデルとして会員のこれまでの経験や知識を生かした会員の自主企画による健康管理プログラムを実施し検証することで、今後地域包括システム構築に向けたソーシャルキャピタルの一角になりうるかについてを明らかにしたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

全国調査に先駆けてX県内全体の質的調査を組み入れ、全国調査に必要な要素を絞り込むことにしたため、全国調査を次年度に持ち越すこととなったため。

次年度使用額の使用計画

質問紙等の準備はできているため、倫理審査を経て全国調査を次年度の上半期で実施し、その結果をうけてプログラムの実施を次年度の下半期で実施する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Awareness of community involvement of male baby boomers living in the local cities of Japan immediately after their retirement 22014

    • 著者名/発表者名
      米澤 洋美
    • 学会等名
      第46回アジア公衆衛生連合体学会
    • 発表場所
      クアラルンプール(マレーシア)
    • 年月日
      2014-10-17 – 2014-10-19

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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