研究課題/領域番号 |
24593435
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
長谷川 美香 福井大学, 医学部, 教授 (90266669)
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研究分担者 |
米澤 洋美 福井大学, 医学部, 講師 (10415474)
北出 順子 福井大学, 医学部, 講師 (80509282)
吉川 峰子 福井医療短期大学, 医歯学系, 教授 (70446152)
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キーワード | ドメスティック・バイオレンス / 支援担当者 / 連携 / 教育プログラム |
研究概要 |
DV被害者支援担当者の支援連携を促進する要因を明らかにするため、まずは対象地域であるX県内のDV被害の実態を明らかにすることが必要なため、今年度はX県に居住する18歳以上の男女のうち、住民基本台帳より無作為抽出した4,000名を対象に、DV防止法の認知度、暴力としての認識、DV被害の実態、DV被害の相談経験等を質問項目とし、郵送法による自記式質問紙調査を行った(回収率41.2%)。その結果、DV防止法の認知度は80.6%と高かったが、相談窓口について知らないと回答した者は63.4%であった。暴力としての認識は、身体的行為を暴力だと思うという認識は高かったが、精神的暴力については4~5割と低かった。これまでに結婚したことのある者のうち、配偶者から暴力を受けた経験があると回答した者は23.0%であり、その内、誰にも相談しなかった者は48.5%であった。相談しなかった理由として、「相談するほどのことではないと思った」が最も多く57.0%であった。 以上の結果より、DV防止法の認知度は高いがDV被害者自身が配偶者から受けている行為を「相談するほどのことではない」と認識していること、DV被害相談窓口を知らないこと等から、DVと認識していない相談者が多様な相談窓口に来所した際、相談者へのDV理解を促進する支援が相談の第一段階として必要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度はDV被害者支援担当者の支援連携を促進する要因を明らかにするため、質問紙調査の実施を計画していたが、基礎調査として対象地域であるX県のDV実態把握が5年間実施されていなかったことを踏まえ、今年度はX県のDV実態調査を先行して実施した。そのため、当初の計画であったDV被害者支援担当者を対象とした調査を次年度実施へと計画を変更したため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究成果および先行研究結果を参考に、次年度は連携実践能力の影響要因を明確にするため、X県内のDV被害者支援担当者を対象に質問紙調査を実施し、統計的分析手法を用い、DV被害者支援担当職員の連携の実態と課題、連携を推進する影響要因を明らかにする。そして、これらの結果を踏まえ、平成27度にはDV被害者支援担当職員の連携実践能力を推進するための教育プログラムを開発する。 具体的には、平成26年度にはX県内のDV被害者支援のコアとなる配偶者暴力相談支援センター、児童、福祉、男女共同参画の部門・機関等に所属する職員100名程度を対象に、無記名自記式の質問紙調査を郵送法にて行う。調査内容は、①対象者の属性等:性別、年 齢、所属部署と職位、現在の部署での経験年数、DV被害者への支援経験の有無など、②連携の実態:連携に関する認識・必要性、連携目的、連携先、連携頻度、連携時の課題等である。 平成27年度には、連携実践能力向上のための教育プログラムを開発する。平成24~26年度までの研究結果、および多職種連携教育を先駆的に実施いしてる国内外の機関、および先行研究を参考に、教育プログラム内容、評価指標の検討を行う。そして、作成した教育プログラムの妥当性、実施可能性の検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度はDV被害者支援担当者の支援連携を促進する要因を明らかにするため、質問紙調査の実施を計画していたが、基礎調査として対象地域であるX県のDV実態把握が5年間実施されていなかったことを踏まえ、今年度はX県と共同でDV実態調査を先行して実施した。そのため、調査実施費用負担が生じなかったこと、およびそれに伴い当初の計画であったDV被害者支援担当者を対象とした調査を次年度実施へと計画を変更したため。 本年度の研究成果および先行研究結果を参考に、次年度は連携実践能力の影響要因を明確にするため、X県内のDV被害者支援担当者を対象に質問紙調査を実施し、統計的分析手法を用い、DV被害者支援担当職員の連携の実態と課題、連携を推進する影響要因を明らかにする。そして、これらの結果を踏まえ、平成27年度にはDV被害者支援担当職員の連携実践能力を推進するための教育プログラムを開発する。 具体的には、平成26年度にはX県内のDV被害者支援のコアとなる配偶者暴力相談支援センター、児童、福祉、男女共同参画の部門・機関等に所属する職員100名程度を対象に、無記名自記式の質問紙調査を郵送法にて行う。調査内容は、①対象者の属性等:性別、年 齢、所属部署と職位、現在の部署での経験年数、DV被害者への支援経験の有無など、②連携の実態:連携に関する認識・必要性、連携目的、連携先、連携頻度、連携時の課題等である。
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