研究実績の概要 |
平成26年度は、生活習慣変容過程におけるストレングス測定尺度(SMS)を用い、さらに成人のもつストレングスの特徴を明らかにするため、本調査データを基に分析を加えた。SMSの第1因子【活用】における情報活用力と生活習慣との相関係数は0.303、行動変容ステージとの相関係数は0.360であった(P<0.01)。また、男性より女性、未婚者より既婚者、常勤より非常勤者の方が情報活用力が高く有意差があった(P<0.001)。本分析結果は、第73回日本公衆衛生学会総会(栃木,2014年11月)にてポスター発表を行った。 また平成26年度には、被扶養者である女性を対象に追加調査を計画したが、協力を依頼していた団体・組織の調査受け入れ体制が整わなかったため次年度に延期となった。海外における調査に関しては、本研究者の所属する大学と学部間学術協定を結んでいるフィンランドのヘルシンキメトロポリア応用科学大学に調査協力依頼を行った。まず国際コーディネータにSMSを用いた国際比較調査研究の協力を依頼し、平成26年9月、本研究分野に関心をもつ研究者を対象に、SMS開発過程及び日本の生活習慣病の現状と課題に関するプレゼンテーションを実施し、承諾を得た(ヘルシンキ、参加者:Dr.Anita Naslindh-Ylispangar, Dr.Teija Korhonen, Dr.Aija Ahokas)。帰国後、次年度からの調査実施体制及び具体的な研究計画について検討を重ねた。 また、平成26年度には、SMS開発のもとになった、成人男性のストレングスに関する論文を執筆し、生活習慣病予防を目的とした一次予防の取り組みにストレングスの概念を導入することの必要性を社会に発信した。
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