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2012 年度 実施状況報告書

地域高齢者のスピリチュアリティとその影響要因および生きがい感に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 24593443
研究種目

基盤研究(C)

研究機関琉球大学

研究代表者

與古田 孝夫  琉球大学, 医学部, 教授 (80220557)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード地域高齢者 / スピリチュアリティ / ストレッサー / ストレスコーピング / 抑うつ傾向 / 共分散構造分析
研究概要

沖縄県U市の65歳以上の地域高齢者4,873名(男性2,166名,女性2,707名)を対象に,平成24年9月に郵送回収法にて自記式無記名質問紙調査を実施した。そのうち回答の得られた1,686名(回収率34.6%)のうち,有効回答の得られた718名(男性369名,女性349名)について検討を行った。解析は,心理学的ストレスモデルに従い,スピリチュアリティがストレッサー,ストレスコーピング,抑うつ傾向に影響しているという仮説モデルを共分散構造分析で検証した。その結果,心理学的ストレスモデルの抑うつ傾向へのプロセスにおいて有意な関連を認めたのは,情動焦点型コーピングと回避・逃避型コーピングであり,スピリチュアリティは,ストレスコーピングに有意な正の影響を示した。一方,スピリチュアリティのストレッサー,抑うつ傾向へは有意な関連を示さなかった。つまり,スピリチュアリティは,ストレス認知には影響しないが,スピリチュアリティが情動焦点型コーピングに影響した場合は,抑うつ傾向の軽減につながり,回避・逃避型コーピングに影響した場合は,抑うつ傾向の増強につながるというスピリチュアリティの抑うつ傾向への2つの側面の影響を認めた。本研究より,地域高齢者の身体的な衰えの心理的なストレスに対しては,回避・逃避型コーピングを選択せず,情動焦点型コーピングとスピリチュアリティを向上するための方法を習得することができれば,スピリチュアリティは精神的健康にさらに良い影響を与えることが示唆され,本研究は高齢者のストレス対策におけるスピリチュアリティの介入の新たな方策に寄与することが考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

沖縄県第2の市街地域である浦添市において,当該市の全面的協力を得て調査を実施した。得られたデータより,本調査の研究目的である高齢者のスピリチュアリティに焦点をあて,共分散構造分析による解析により,スピリチュアリティからストレスコーピングを介在し抑うつ傾向にいたるプロセスには,ストレスコーピングのうち,とりわけ情動焦点型コーピングと回避・逃避型コーピングが影響する可能性を示唆する今回の知見はこれまでになく,研究の意義は大きいと考える。

今後の研究の推進方策

平成25 年度は島嶼地域の久高島において、平成23 年度と同様の調査を行う。
久高島は、沖縄本島東南端に位置する知念岬の東海上5.3km にある、周囲8.0km の細長い島である。所在は沖縄県南城市で、127 世帯、人口295 名(男154 名、女141 名、平成17 年)であり、島民の大部分を65 歳以上の高齢者で占めている。なお,当該地域での調査が困難な場合は,久高島の同様に伝統的地域特性を有し,高齢者の占める割合の高い島嶼地域を選定し,調査を実施する。

次年度の研究費の使用計画

本年度の残高は1万円あまりであり,ほぼ計画通りに予算執行が行えたと考える。

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公開日: 2014-07-24  

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