研究課題/領域番号 |
24593444
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
松原 三智子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (20304115)
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研究分担者 |
岡本 玲子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (60269850)
和泉 比佐子 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (60295368)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 幼児期 / アセスメントツール / 親子関係 / 子育て支援 / 愛着 / 親子相互作用 |
研究概要 |
本研究の目的は、親子関係にひずみを生じ始めていると考えられる子育ての支援が必要な親子を、幼児健康診査で抽出するための「幼児期の親子関係アセスメントツール」を開発することである。 平成24年度は「幼児期の親子関係アセスメントツール」(試案)の項目について、研究者間で検討した。検討する際にはBowlbyにおける愛着理論、Barnardの親-子相互作用を参考とした。また、研究者らの先行研究において、専門職が捉えた親の子どもに対する「不適切な関わり」、保健師が捉えた親の「不適切な養育行動」から抽出された項目を基盤とし、先行研究における親子関係について測定するための尺度やアセスメント項目を参考にした。その結果、親子関係をアセスメントするためには、【親の特性】【子どもの特性】【親子の相互作用】【家族としての特性】の4領域から総合的に判断していく必要性が示された。また、領域内の項目には、健康診査の面接場面で保健師が確認できる項目と、問診票などを使って親の認識を確認する項目が示されていた。そのため、実際にアセスメントツールとして幼児健康診査で活用するには、更に現場の保健師数名に利用しやすさの確認作業を実施し、親子関係アセスメントツール(試案)を精選する必要が示された。よって、今後は親子関係アセスメントツール(試案)を、実際の幼児健康診査で活用し易い形式に整理しなおし、幼児健康診査に携わっている保健師を対象として、デルファイ法を用いた調査を実施し、内容の妥当性について検証していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度は、幼児期の親子関係アセスメントツール(試案)を研究者らの先行研究および既存の研究結果を参考に作成し、その内容妥当性を検討するための第1回調査を実施し、幼児期の親子関係アセスメントツール(原案)を作成する予定であった。しかし、幼児期の親子関係アセスメントツール(試案)の項目を検討するうえで、実際に幼児健康診査の現場で使用しにくい現状が認められたため、質問項目を検討するうえで時間を要したため、やや進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度には、親子関係アセスメントツール(試案)を、現場の幼児健康診査で使用し易い形式に修正する作業を実施する。その際、研究協力の得られた数か所の保健センターにおいて保健師の意見を求め、親子関係アセスメントツール(原案)を作成する。その後、デルファイ法を用いた自己記入式の質問紙調査を、市町村保健センターで幼児健康診査に従事している保健師を対象に郵送によって実施し、内容妥当性について検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、親子関係アセスメントツール(原案)を作成し、市町村保健センターで幼児健康診査に従事している保健師を対象として、郵送による自己記入式調査を実施する予定であった。しかし、調査項目の精選に時間を要してしまった経緯から、郵送式の調査を行えなかったため残額207,724円が生じた。 したがって、平成25年度は、当初の分担金の予定額1,100,000円と併せた1,307,724円について、以下のとおり使用計画を立案している。 親子関係アセスメントツール(原案)の内容妥当性について、保健師を対象とした郵送による自己記入式の調査を、デルファイ法を用いて実施する。そのため、調査用紙の印刷および郵送にかかる費用、更に、回収したデータを入力する作業による賃金雇用(謝金)、データ分析用のソフトを購入するための費用、データ分析ソフトを使用するための研修会参加のために分担金を使用する予定である。
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