地域在住高齢者の生活機能維持への取り組みとして、山形県上山市で開催されているウォーキングに焦点を当て、生活機能維持にどのように活用するか関係者と検討した。 結果、地域で開催されている長時間のウォーキングは、高齢者でもより健康的な対象の参加であった。(血圧は高齢者では多少高いものの、ロコモティブ・シンドロームの実態は、成人期の参加者と有意な差がなかった) 高齢者の参加を促すために関係者と検討を重ね①ウォーキングのガイドに対して、事故防止を含む健康のリスク管理教育の実施 ②高齢者でも歩き易い街なかウォーキングのコース設定 ③介護予防教室でのウォーキング(歩くこと)への意識付け ④高齢者になってからウォーキングを開始するには遅いことから、退職前の時期に焦点を当て、企業が実施するウォーキング開催時に、介護予防の視点を取り入れたウォーキングの必要性の動機付け教育 等を実施した。 ①ウォーキングガイドに対する健康づくりガイドへの意識調査を実施した。ウォーキングガイド育成に健康のリクス管理等の教育を実施しているが、ウォーキングの実施が野山を歩くウォーキングのため、専門的な野山を紹介するなどの点に集中し、健康を維持増進することを強調する視点が低かった。②「まちなかウォーキング」は高齢者の下肢機能が多少低下しても、生活機能の維持を目指し、社会との交流の場を確保するために、ゆっくりと街なかを歩くコース(1時間以内)を設定した。継続参加した高齢者は、なじみのある街なかをウォーキング(散歩)することにより、生活機能の向上が見られた。 生活機能の維持が高齢期に開始することではすでに遅いことから、企業への働きかけとともに、市民に対してウォーキングの周知度と生活機能について調査を実施した。結果、過半数以上の市民はウォーキングを周知していたが、健康よりも生活や就労が優先され、参加まで至っていなかった。
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