本研究は外見からは判断が難しい傷病の保健室における重症事例を収集し、養護教諭の緊急度・重症度判断の根拠となった情報を明らかにするとともに、判断支援ツールを検討することを目的としている。養護教諭が緊急度・重症度判断の根拠とした情報は、医学的に重視されている情報だけではなく、問診や視診から比較的容易に入手できる情報を多く用いていた。判断支援ツールを検討する際は、高度な観察技術を用いて収集する情報ではなく、どのような場面においても容易に収集可能であり、医学的根拠が明確な情報を精選する必要があることが示唆された。
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