研究課題/領域番号 |
24593454
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
中越 利佳 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師 (70551000)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 子宮頸がん / 検診受診行動 / 啓発プログラム |
研究概要 |
今年度の本研究の目的は、20歳代勤労女性の子宮頸がん検診受診行動とリプロダクティブヘルスの理解およびセクシャリティとの関連性を明らかにすることである。勤労女性2541人に調査票を配布し、1295人の有効回答を得た。そのうち20歳代は222人であり、他の年代と比較し、子宮頸がんに関する知識が有意に低く、検診への抵抗感が有意に高い結果となった。 20歳代女性の子宮頸がん検診に対する思いは「リプロダクティブヘルス意識」「検診結果不安」「検診煩わしさ」の3因子構造からなり、受診行動が取れていない者は、受診経験がある者と比較し、リプロダクティブヘルス意識が有意に低く、検診煩わしさが有意に高い結果となった。未受診者のうち将来的に検診受診する意志がある者と受診意志がない者の違いについて分析したところ、セクシャリティのオッズ比が1.13となり、検診受診行動をとるためには、豊かなセクシャリティを育むことが必要であることが明らかになった。 また、検診受診経験者のうち、継続検診できている者は、今後検診受診しないとする者と比較し、検診煩わしさが有意に低い結果となり、継続受診に向けては、受診しやすい環境や女性スタッフの配置などが必要であることが明らかになった。 本研究の成果は、学会発表および論文掲載により公表した。また、地元新聞の愛媛新聞から研究成果についての記事が記載され、若い世代の子宮頸がん検診への関心が高まった。 現在、勤労女性の検診受診行動の特徴をより明確化するために、女子学生のデータを収集しており、現在分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の目標である20歳代勤労女性の子宮頸がん検診受診行動とリプロダクティブヘルスの理解およびセクシャリティとの関連性は明らかになった。また、その成果を学会発表および論文掲載にて公表することができた。量的データーから得られた結果をできるだけ速やかに社会に公表することを最優先とした。そのため、予定していたグループフォーカスインタビューによる子宮頸がん検診受診行動のための啓発プログラムのニーズ調査ができなかった。 研究進行を中間評価し、研究計画の見直しを行わなかったことが遅れの原因になったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、女子学生で収集したデータをまとめ、20歳代勤労女性との比較検討を行い勤労女性の検診受診行動の特徴をより明確化させ、その結果を公表する。また、昨年予定していたフォーカスグループインタビュー実施し、検診受診行動啓発プログラムのニーズを明らかにする。 また、関連性が明らかとなったセクシャリティやリプロダクティブヘルスの高揚を意図した健康教育プログラム(思春期健康教育や月経教育、更年期健康教育など)や教材開発についての情報収集を行い、啓発プログラム原案作成にむけて準備を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度繰り越し額を、論文投稿料および別刷費用に充当する。また、昨年予定していたフォーカスグループインタビューを今年度に実施する予定であり、インタビュー協力者への報酬費、逐語録作成のための人権費、文具、記録メディア購入のための需要費として充当する予定である。
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