研究課題
本研究は、島しょ看護学教育の推進に向けて、島しょ看護の実践と研究に必要な教育内容を探求確定し、看護学教育の各レベル(学士課程、博士前期課程、博士後期課程)のそれぞれの教育プログラム立案に活用できるように、看護学教育の各レベルの教育目標に照らし、教育内容・教育方法を体系化することであった。「島しょ看護」のキーワードで検索した105文献から島しょ看護の知識・技術をリストアップし、教育内容項目および教育内容に整理した。日本ルーラルナーシング学会学会員の意見を聴取し、研究者で意見を吟味点検し、「島しょ看護教育の教育内容の体系」とし、専門家会議に提示し意見を集約し、追加修正した。そして、看護学教育の3つの教育レベルの教育目標に照らし配置した。3つの教育レベルについて、教育内容項目ごとに教育目標・教育方法を研究者会議で検討した。教育レベルごとの科目配置は、学士課程は<島しょ看護学>、<島しょ看護学実習>の2科目、博士前期課程は、<島しょ看護特論Ⅰ>、<島しょ看護演習>、<島しょ看護実習>、<島しょ看護特別研究Ⅰ>の4科目、博士後期課程は、<島しょ看護特論Ⅱ>、<島しょ看護政策・管理>、<島しょ看護特別研究Ⅱ>の3科目となった。島しょ看護学教育の内容の活用推進には、体系化のみでは不充分で、各大学の、各看護教員が必要や考え方に応じ、島しょ看護教育に着手しやすいようカリキュラム立案やシラバス、指導案、教材作成の各教育活動段階に活用できる学習指導書の作成が必要であると考えられる。指導書は、具体的でかつ各大学の身近な島しょ地区で活用できるものであることが求められることから、指導書の内容構成に工夫・研究が必要であると考えられた。