研究課題/領域番号 |
24593458
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研究機関 | 西武文理大学 |
研究代表者 |
唐田 順子 西武文理大学, 看護学部, 教授 (60440012)
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研究分担者 |
山田 和子 和歌山県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10300922)
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キーワード | 児童虐待 / 発生予防 / 産科医療機関 / 助産師・看護師 / 気になる親子 / リスクアセスメント / 連携 / 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ |
研究概要 |
『産科医療施設に勤務する看護職者が、「気になる親子」を情報提供ケースとして確定してから連携が発展するプロセス』について分析した。 結果1総合病院:研究参加者25人の逐語録の分析の結果、32の概念、7つのサブカテゴリー、6つのカテゴリーが生成された。プロセスは、他機関から情報がフィードバックされ、【親子のなりゆきを知る】ことにより、医療施設における支援に経験的な学びが還元され、協働していく相手としての他機関理解が深まり、連携が進化し単なる情報・アセスメントのやり取りではなく、【新たな段階の連携が生まれる】ことであった。コアカテゴリーは【親子のなりゆきを知る】であった。 結果2産科単科病医院・診療所:研究参加者8人の逐語録の分析の結果、27の概念、5つのサブカテゴリー、7つのカテゴリーが生成された。プロセスは、他機関に情報提供する際の電話での【やり取りを交えた情報提供】、情報のフィードバックによる【親子のなりゆきを知る】、【変化の始点となるきっかけ】の3つにより、医療施設における支援に【経験的な学びが還元される】、【協働機関として頼れる存在として認識する】ことで、連携が進化し、【新たな段階の連携が生まれる】ことであった。 総合病院と産科単科病院・診療所の結果を統合し、産科医療施設における「気になる親子」の連携プロセス構造を明らかにした。『産科医療施設に勤務する助産師の乳幼児虐待予防に向けた連携のプロセス』は「発見の段階」からスタートし、「明確化の段階」、「判断の段階」、「必要不可欠な手続きの段階」を経て、気になる親子が情報提供ケースとなる。他機関との連携が「情報伝達・情報交換の段階」、から始まり、「経過を知る段階」、「相互作用による変革の段階」によって進化し「発展の段階」となる。他機関との相互作用による学びが、発見・判断の支援に還元され「還元の段階」に至り循環する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度と今年度にわたり、質的研究部分は完了した。年度当初は産科医療施設、保健機関の量調査を実施する予定であったが、質的研究の分析に時間を要し、量的調査の質問紙を検討するにとどまった。しかし、質的研究が完了したことで、産科医療施設における「気になる親子」の連携プロセス構造を明らかにすることができた。 上記結果をもとに、産科医療施設、保健機関への調査に向け、質問紙の内容を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、産科医療施設、保健機関の量的調査の質問紙の検討中である。今後は分析方法を含め検討し、質問紙を完成させる。各大学の倫理審査を経て、産科医療施設、保健機関(政令市)の調査を行う。その後データの入力、分析、結果の抽出、考察を行う。その後、質的研究を含めた総合考察を行う
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度と今年度にわたり、質的研究部分は完了した。年度当初は産科医療施設、保健機関の量調査を実施する予定であったが、質的研究の分析に時間を要し、量的調査の質問紙を検討するにとどまった。そのため、量調査にかかる費用を次年度に繰り越した。 平成26年度は量的調査を予定しているため、質問票の印刷・郵送に関わる費用を40万円、データ入力等の人件費を50万円、統計解析ソフト12万円、PC20万円、文具2万円、計124万円を予定している。
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