研究課題/領域番号 |
24593459
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
鈴木 みちえ 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (50300166)
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研究分担者 |
神庭 純子 西武文理大学, 看護学部, 准教授 (20440589)
岩清水 伴美 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (60516748)
山村 江美子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 講師 (90340116)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 特定保健指導 |
研究概要 |
平成23年度の市町村国保の特定保健指導実施率は21.7%と低迷している。ハイリスクアプローチと併せて、対象者が「MetS改善のためのヘルスリテラシー」を獲得するためのポピュレーションアプローチが重要である。本年度は、既存の調査データを活用し、指導未利用者のヘルスリテラシーと健診結果との関連の検討、およびフィールード市のポピュレーションアプローチの状況を把握した。 1.分析対象は本研究のフィールド市の平成22年度の特定保健指導未利用者で23年度継続 受診した319名である。分析の結果、1)2年間の健診結果、体重減少群10.3%、維持群48.3%、増加群41.4%であった。減少群はBMI・腹囲・中性脂肪・LDL・γ-GTPが改善し、維持群もBMI・腹囲・中性脂肪・γ-GTPが改善した。増加群はBMI・腹囲・中性脂肪・LDL・γ-GTP・HbA1Cが悪化した。2)「行政機関からの広報誌やリーフレットを関心を持ってよく読む」割合は減少群22.0%、維持群20.1%、増加群14.9%で、増加群は有意に低かった。3)日常生活の変化に関する自由記述内容の分析結果166記述単位が抽出され、ヘルスリテラシーの「実践的な健康管理力」と捉えられる<保健行動>が81件(48.8%)を占めていた。 2.フィールド市では、地区健康相談、保健推進員等地区組織への働きかけ、リスク保有者への啓発リーフレットの郵送、健診委託関係者との連絡会議、啓発用ポロシャツ、ジャケットの着用等様々なポピュレーションアプローチなされていた。 以上から、保健指導未利用でも、自己管理で健診データが改善される群の存在と悪化群は行政からの情報活用が不足していることが明らかになった。また、様々なポピュレーションアプローチの実施が確認された。 次年度はヘルスリテラシーとポピュレーションアプローチとの関連性検討のための調査を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存調査の分析の結果、本研究の意義が再確認された。調査フィールド関係者との今後の調査についての協議も順調に進んでいる。次年度において、研究目的達成のための質問紙調査を実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
「メタボリックシンドローム改善のためのヘルスリテラシーに関する質問紙調査票」の検討、作成、調査のための倫理審査申請、承認を得た後に調査の実施、第一段階の分析を行う計画である。さらに、ヘルスリテラシーとポピュレーションアプローチの実施状況との関連を吟味し、ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチを連動させた特定保健指導の方向性について検討、考察する計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
質問紙調査にかかわる経費として、調査票印刷費、通信費、調査対象者への謝礼、調査活動旅費、活動補助者への謝礼、および本年度実施した既存調査分析結果の学会報告のための旅費として使用する計画である。
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