研究課題/領域番号 |
24593459
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
鈴木 みちえ 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50300166)
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研究分担者 |
神庭 純子 西武文理大学, 看護学部, 教授 (20440589)
岩清水 伴美 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60516748)
山村 江美子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 講師 (90340116)
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キーワード | 特定保健指導 / ヘルスリテラシー / 保健推進員活動 |
研究概要 |
効果的な特定健診・保健指導を実施するためには、ハイリスク者への直接的支援と併せて「メタボリックシンドローム(以下MetS)改善のためのヘルスリテラシー」(以下ヘルスリテラシー)の獲得を促すような啓発活動や地区組織育成活動等のポピュレーションアプローチが重要である。本年度は、保健指導対象者のヘルスリテラシーと健診結果との関連について検討するために質問紙調査を実施した。 1.S県F市の平成24年度特定保健指導対象者1.196名全員を対象に自記式質問紙調査を実施し、24・25年度の特定健診結果と照合した。調査票回収数469名(回収率39.2%)のうち、有効回答を得た452名(男性335名・女性117名、有効回答率37.8%)を分析対象とした。2.調査内容:①ヘルスリテラシー:MetSの基礎的知識、健康管理行動、健康関連情報把握行動、②関連要因:自己管理スキル、保健推進員活動参加経験3.結果:(1) 回答者の平均年齢は65.3歳で、保健指導に参加した者は28.8%であった。翌年継続して受診した者は85.4%で、体重減少群16.6%、維持群42.5%、増加群40.9%であった。指導参加者の維持・減少群は72.0%、指導不参加者は53.8%が維持・減少していた。(2) ヘルスリテラシーと体重変化との関連では、体重維持群の健康情報把握行動得点が増加群より有意に高かった。(3) ヘルスリテラシー構成要素の各得点と自己管理スキル得点間に有意な相関が認められた。(4)保健推進員経験者は、ヘルスリテラシー構成要素の各得点が未経験者より有意に高く、2年間継続受診者の割合も有意に多かった。 以上より、指導不参加でも体重を維持・減少可能群が存在すること、ヘルスリテラシーと体重減少、さらに健康づくり地区組織活動経験との有意な関連が認められたことから、ポピュレーションアプローチの有効性について示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究フィールド関係者の協力を得て研究目的を踏まえた調査が順調に実施、第一段階の 分析も行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、最終年度となるため、調査結果の詳細な分析、検討を行い、研究目的を踏まえた提案をしていく。また学会での報告も積極的に行うよう努めたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査フィールドの協力により調査の実施が研究分担者の参加を得ないで実施できた。 また、学会発表時も分担者の業務の調整が困難で同行が得られず、旅費支出が減額されたため次年度使用することとした。 最終年度であり、調査結果の分析検討会の開催への研究分担者参加のための旅費、並びに 学会発表旅費に充当する計画である。
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